リプライするかしないか:Twitterと言語(学)研究
- 8. ケータイメールの特徴(三宅(2005)より)
• 終助詞:特に「ね」、「よ」のように、相手の反応を引き出す助
詞が頻繁に使われている。
• 助詞の省略:[が]、[を]などの格助詞の省略が多い。
• 疑問文:疑問文で相手に質問したり確認要求をすることで、相手
の応答が必要な構造が作り出されている。
• 感動詞、応答詞、あいつぢ的発話:「わあ」「はははは」「う
ん」「ほんと?」「マジでー?」など相手に反応する発話が多い。
• 擬音語、擬態語:「パンパンにしてやる」「鎖骨バキバキに折れ
て」「ひゅーんといって」など、生き生きした話しことばらしさ
を出している。
• いいよどみ:「そ、それは…」「ご、ごめん」など、「話しこと
ば」では実際にはあまり発話されないが、マンガなどではすでに
確立されている表現を使って、驚きや困惑を表している。
(三宅(2005): 250、一部改訂)
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- 9. ケータイメールの特徴(三宅(2005)より)
• 若者ことば:「ってか俺が行ってもいいけど」、「うざいよねえ」など、
普段若者が使う口調を再現している。
• 縮約形:「おはぁ」、「そだね!」、「お疲れ~」、「ありがとね」
「んじゃ」など、実際に話しているような口調・音調に近づけている。
• 古語:「かしこまった」、「よく寝てくだされ」など、実際あまり使わ
ない表現をわざと使って、ふざけ半分の楽しさを出している。
• 方言:「予定入ってるねん」、「そうなんや」など方言を入れて、普段
の自分を表現したり、反対に自分の方言ではない方言をわざと使ってお
かしさを作り出したりしている。
• 幼児語:「まだいるにょ?」「おやすみしまふー」「がんばってにゅ
~」などは、「まふまふ言葉」とも呼ばれ、幼児のような甘えた発話で、
柔らかさを表現している。
• 造語:「「まじんぐ?」(=まじ?)、「おやすまぁ」(=おやすみ)
など、元のことばが分かる程度に崩した新たな造語で、相手との親密感
をかもしだしている。
(三宅(2005): 250、一部改訂)
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- 22. システムと言語行為(のずれ)
非公式RT/QTは「引用」か
Tagawa, Takumi (Takumi TAGAWA). “ちなみ
に発表者の1人です。Twitterと言語(学)研究
の関係について話しますQT @ling_nlp: 前回
からかなり間が空きましたが第8回合同勉強会を
10/31に開催します.日程等は以下をご参照く
ださい.url.” 8 Oct 2014, 13:08. Tweet.
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- 34. 引用文献
• 李光鎬(2014)「ツイッター(Twitter)上におけるニュースをめぐるコミュニケー
ション」『社会イノベーション研究』9(1): 1-16.
• 平本毅(2008)「電子メディアを通じてことばはいかにして話されるのか」岡本能
里子・佐藤彰・竹野谷みゆき(編)『メディアとことば3』, 174-201, ひつじ書房.
• ひらたりえ(2014)「打ちことば試論Twitterで使われる日本語について」
TwiFULL SLiM 27 口頭発表.
• 鎌田修(2000)『日本語の引用』ひつじ書房.
• 岸本千秋(2005)「ネット日記における読み手を意識した表現」三宅和子・岡本
能里子・佐藤彰(編)『メディアとことば2』, 204-231, ひつじ書房.
• 小比田涼介・宮本エジソン正(2014)「Twitter上でのシャイなユーザーの自己開
示」『電子情報通信学会技術研究報告TL 思考と言語』113(440): 7-12.
• 三宅和子(2005)「携帯メールの話しことばと書きことば―電子メディア時代の
ヴィジュアル・コミュニケーション」三宅和子・岡本能里子・佐藤彰(編)『メ
ディアとことば2』, 234-261, ひつじ書房.
• 三宅和子(2009)「謝罪メールをめぐる対人関係調整行動「了解で~す☆」の真
意を探る」三宅和子・佐竹秀雄・竹野谷みゆき(編)『メディアとことば4』,
158-170, ひつじ書房.
• 森山卓郎(1989) 「文の意味とイントネーション」宮地裕(編)『講座日本語と
日本語教育1 日本語学要説』, 172-196, 明治書院.
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- 35. 引用文献
• 中崎崇(2002)「独話場面における終助詞「ヨ」の機能」『日本語・日本文化研
究』12: 105-115, 大阪外国語大学日本語講座.
• 野田春美(2014)「疑似独話と読み手意識」石黒圭・橋本行洋(編)『話し言葉と書
き言葉の接点』, 57-74, ひつじ書房.
• 野田尚史(2003) 「テキスト・ディスコースを敬語から見る」『朝倉日本語講座8
敬語』, 朝倉書店.
• Russell, Matthew A. (2011) Mining the Social Web. O’Reilly.(奧野陽(他)(監
訳) 長尾貴明(訳) (2011)『入門ソーシャルデータ―データマイニング、分析、可
視化のテクニック』オライリー・ジャパン).
• 佐竹秀雄(2005)「メール文体とそれを支えるもの」橋元良明(編)『講座社会言語
学第2巻メディア』ひつじ書房.
• 佐藤彰(2008)「ファンサイトにおけるナラティブと引用オンライン・コミュニ
ティー構築の視点から」岡本能里子・佐藤彰・竹野谷みゆき(編)『メディアとこ
とば3』, 204-236, ひつじ書房.
• 佐藤広英(2012)「CMCにおける他者の匿名性がコミュニケーションの行動に及
ぼす影響―情報の種類の観点からの影響―」『社会言語科学』15(1): 17-28.
• 田川拓海(2014)「愚痴命令文と終助詞」TwiFULL SLiM 27 口頭発表.
• 田中ゆかり(2014)「ヴァーチャル方言の3用法:「打ちことば」を例として」石
黒圭・橋本行洋(編)『話し言葉と書き言葉の接点』, 37-55, ひつじ書房.
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