アプリのプロダクトマネージャーからみるScrum開発

DroidKaigi 2018 Reject Conference
Namito Satoyama
アプリのプロダクトマネージャー
からみるScrum開発
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社外秘
2
自己紹介
里山南人 [Namito Satoyama]
ヤフー株式会社メディアカンパニー
新規領域推進室推進部
クリエイターエバンジェリスト
経歴
SIer (2001〜)
IT Consulting（2006〜）
CyberAgent, Inc（2010〜）
DeNA Co., Ltd.（2013〜）
Yahoo Japan Corp. (2014/09〜)
活動
Shibuya.apk
著書：「黒帯エンジニアが教えるプロ
の技術 Android開発の教科書」
(共著：SB Creative)

前提条件
 今回のお話は、Scrum開発の意義
をプロダクトマネジメント観点か
ら解き明かそうというもの
 新規開発ではなく、リリース後
PDCAフェーズ（グロースフェー
ズ）に入った現場のお話です
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プロダクトマネジメントとは
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社外秘
５
アプリを事業として見るとき
• 品質よくリリースを行った
としても、事業成長するか
どうかはわからない
• 非常に多くの課題を検討・
決断し、実行することが求
められる
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社外秘
6
プロジェクトマネジメント or プロダクトマネジメント
品質
コスト/リソース
スケジュール
ユーザーの課題
事業課題
開発課題
Project Manager Product Manager
• 開発課題だけでなくユーザーの課題の解決や事業課題に関
しての意思決定が求められる
• 事業観点で幅広い視野でサービスをマネジメントすること
を「プロダクトマネジメント」と呼ぶ

社外秘
7
プロダクトマネージャーが意識している観点
プロダクトマネジメントトライアングル
https://productlogic.org/2014/06/22/the-product-management-triangle/
 「プロダクト」「ユーザー」「事業」「開発
者」それぞれの関係性によって起こる課題
 プロダクトマネージャーはそれぞれの領域に
優先順位をつけて施策を考える
 事業環境や時間軸により、実行する必要性や
優先順位が流動的に変化する
「適切なタイミング」で、
「最大の事業成果」を出せるように、
意思決定する
事業会社においては

開発プロセスとは
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社外秘
9
開発プロセスとは
ソフトウェア開発における開発プロセ
スは、ソフトウェアをどのように作り
上げるかについて、手順や工程、要員
、成果物、進め方に関する基本的な考
え方を定義したもの
何のために必要なのか？
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%AB%C8%AF%A5%D7%A5%ED%A5%BB%A5%B9

社外秘
10
開発プロセスはリスク管理のために必要
事業として最大の成果をあ
げるためにリスクヘッジを
行うため
 「適切なタイミング」へのリスク
 適切な事業機会にリリースできるか
 ステークホルダー間で合意出来ているか
 「最大の事業成果」へのリスク
 ユーザーの課題を解決しているか
 開発メンバーが最大のパフォーマンスを
出せているか
 事業環境の変化に追従出来ているか

社外秘
11
代表的な開発プロセスの分類
ウォーターフォールモデル
反復型開発
（メーカー系個別のプロセス）
Unified Process
スパイラルモデル
（派生型）
アジャイル
XP
Scrum
FDD・・・
• 計画重視
• SIerなどで適用されること
が多い
• オブジェクト指向ドリブン
• 中大規模にも使える
• 目標を決めて開発をループさ
せる
• その他
• 事前計画より柔軟性
• ５つの価値と１９の実践
• 経験に基づくアプローチ
• 途中で要求を変更可能

社外秘
12
代表的な開発プロセスの分類
ウォーターフォールモデル
反復型開発
（メーカー系個別のプロセス）
Unified Process
スパイラルモデル
（派生型）
アジャイル
XP
Scrum
FDD・・・
• 計画重視
• SIerなどで適用されること
が多い
• オブジェクト指向ドリブン
• 中大規模に使える
• 目標を決めて開発をループさ
せる
• その他
• 事前計画より柔軟性
• ５つの価値と１９の実践
• 経験に基づくアプローチ
• 途中で要求を変更可能
アプリにおいては、中
小規模に向いていて、
事業環境の変化に追従
できるプロセスが必要

Scrumとは
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社外秘
14
Scrumとは（ざっくり）
プロダクトバックログスプリントバックログ
プランニング
スプリント
１〜４週間
レビュー・ふりかえり
メンテナンス
プロダクトオーナー
開発メンバー
 要件のリストであるプロダクトバック
ログをプロダクトオーナーが常にメン
テナンスし、施策優先順位をつける
 プランニングを行い、一定のタイムボ
ックス（スプリント）で行うタスクを
見積もる（スプリントバックログ）
 開発メンバーはスプリントバックログ
にしたがって開発を行う
 レビュー・ふりかえりを行い、チーム
の生産性（ベロシティ）を踏まえた上
で次のスプリントのプランニングをす
る

画像：アフロ 15

社外秘
16
事例対象アプリ
 多機能ブラウザアプリ
 2012年4月リリース
QR機能 / メモリ最適化機能 /
音声読み上げ機能 / ウィジェッ
ト機能
 安定した規模感
リリースから６年
MAU:250M+
Yahoo!ブラウザー

社外秘
17
プロダクトマネジメント及びScrum Master
ScrumMaster
ProductManager
2014年9月 2015年9月 2017年6月
入社

Scrumを適用すること
によって解決したこと

課題１:
日ごとに開発メンバーの
やることが変わる

社外秘
20
Before
 一部のレビューや問い合わせに過度
に反応して突然調査タスクが発生
 プリインストール案件でキャリアの
言われるがままに納品日を受け入れ
 生産性の低下
 突然の残業
 エンジニアのモチベ低下
レビューで強
い指摘が…
ディストリ明
日までにお願
いしますー
施策いつリリ
ースできます
かー？

社外秘
21
After
Business
Issue
CS/Review
Issue
Member
Issue
PBL
SBL
スプリント
２週間
不可侵
タイムボックスを不可
侵にしてメンバーに集
中してもらう
 評価が大幅に下がらない限りレビ
ュー対応もバックログに入れて次
のスプリントへ
 タイムボックス(2週間)を元に体
外的な依頼のリードタイムを握る

課題２:
目的のすれ違い

社外秘
23
Before
これやりたい
やっておきま
すよー
やりたいこと
と違うよ
そんなことは
聞いてなかっ
たです
 仕様が口頭で伝えられる
 意図していないものが出
来る
 事業目的と異なる
 見積もり制度が下がる

社外秘
24
After
プロダクトバックログ
目的と達成条
件は○○です
それなら、こう
いうアプローチ
が良いです
完了定義
バックログを元に目的
と完了定義を明確化
 向上させるべきKPIも明確化
 目的が明確なので事業成果が最大
化される
 より最適なアプローチ方法が生ま
れることがある

課題３:
プロダクトの先行きが
不透明

社外秘
26
Before
カンバン
見通しが知り
たい
出来上がらな
いとわかりま
せん
 カンバンは使っているが、リリース
予定がベストエフォート
 先行きが不透明
 事業機会を逃すかもしれ
ない不安を払拭できない

社外秘
27
After
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
〜をしたい
2
３
５
2
3
5
8
ベロシティ
[１５]
ベロシティから先行き
を見通すことが出来る
 ロードマップは１年後レベルまで
考えるが、事業環境は変化するの
で長期的には完璧に決めれない
 PDCA（グロース）フェーズであ
れば、３ヶ月（Q）単位のリリー
ス予定を見通せることが重要

Scrumを適用すること
によって困ったこと

問題１:
開発メンバーの
主体性問題

社外秘
30
開発メンバーの主体性を損なうような場合
 バックログの粒度が細かいと、開発
メンバーの工夫する余地が少なくな
る
〜のボタンの色を赤にする
〜画面のCTRを改善する
OR
 PDCAフェーズでは施策
≒機能≠ユーザーストー
リーとなることが多い
 機能レベルのバックログ
は施策を考えているPM
に責任が寄りがち
 開発メンバーは逆に仕様
を考えるという面におい
て主体性を失う

失敗２:
リモートとカンバン問題

社外秘
32
リアルカンバンの弊害
 リアルカンバンを利用すると、リモ
ート勤務しにくい
 リアル付箋を動かす方が
やった感が出る（主観）
 リモート勤務の人が朝会
で利用しにくい
 JIRA/Github/Trelloな
どWebサービスで使うの
が良い場合も多い
OR

画像：アフロ 33

 アジャイルを含む開発プ
ロセスは事業全体のリス
クヘッジを行う手段
 PDCAフェーズにおいて
もScrumで解決できる問
題は数多くある
 今使われている開発プロ
セスに疑問を持った場合
、逆に事業をどううまく
回すべきかを考えるべき

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