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RECIST 1.1 How To
RECIST評価に携わる方のためのハンドアウト
2016/6/3
Visionary Imaging Services, Inc.
© Visionary Imaging Services, Inc.
+
目次
 評価の流れ
 補足)評価画像の取得について
 測定可能病変
 測定不能病変
 その他の所見
 ベースラインにおける評価フロー
 ベースライン:標的病変と非標的病変
 フォローアップの評価
 標的病変の効果判定基準
 非標的病変の効果判定基準
© Visionary Imaging Services, Inc.
 新病変
 FDG-PETによる新病変判定の取り扱い
 評価なしや評価不能の場合
 標的病変の再発の取り扱い
 ベースライン測定可能病変ありの総合効果
 ベースライン測定可能病変なしの総合効果
 すべての評価時点を通じての最良総合効果
 確定について
 コンタクト
+
評価の流れ
ベースライン
評価
治療開始
フォローアップ
評価
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+ 補足)評価画像の取得について
 CT
 可能な限りスライス厚≦5mm,ギャップなし、基本は横断像
 経静脈造影、経口造影剤利用OK
 一貫したデータ取得と再構成手順
 MRI
 T1w, T2w, T1w(CE)など、可能な限りスライス厚≦5mm,ギャップなし、基本は横断像
 一貫したデータ取得と再構成手順
 FDG-PET
 良悪性の判断や新病変の検出に用いられることがある
 一貫したデータ取得と再構成手順
 PET/CT
 良悪性の判断や新病変の検出に用いられることがある
 PET/CT の一部として実施されるCT が、(静注や経口 の造影剤を用いた)診断用CTと同等の診断上の品質を有す
るものであることを施設が証拠書類をもって証明できる場合には、測定にPET/CTのCT像を使用できる。
 一貫したデータ取得と再構成手順
 胸部レントゲン
 肺実質に囲まれた病変の胸部X線での測定を行ってもよい
 超音波
 再現性に課題があるため、測定には推奨されない。
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+
測定可能病変
 CTまたはMRIの横断面で長径10mm以上。もし画像スライス厚
が5mmを超える場合は、スライス厚の2倍を基準とする。
 胸部レントゲン上で20mm以上の長径。肺実質に囲まれた病変
であること。ただし、CTでの測定が推奨される。
 キャリパーを添えて撮影した写真上で確認できる長径10mm以
上の表在性病変(正確に測定できない時、測定不能病変とす
る)。
 CT上で短径15mm以上のリンパ節。画像スライス厚は5mmを
超えないこと。
 超音波画像は利用不可。
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+
測定不能病変
 測定可能病変でない病変
 長径10mm未満の腫瘍
 短径10〜14mmのリンパ節
 軟膜髄膜病変
 腹水
 胸水
 心嚢水
 炎症性乳がん
 皮膚や肺のリンパ管症
 視触診では認識できるが再現性のある画像検査法では測定可能で
はない腹部腫瘤や腹部臓器の腫大
 良性所見
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+
その他の所見
 骨病変
 骨病変測定の画像検査法としての骨シンチグラフィ、 FDG-PET、単純X線撮影は、骨
病変の存在または消失を確認することには使用可能である。
 同定可能な軟部組織成分を含み、CTやMRIなどの横断画像により評価できる溶骨性骨
病変や溶骨性造骨性混合骨病変は、軟部組織成分が測定可能の定義を満たす場合には、
測定可能病変とすることができる。
 造骨性骨病変は測定不能である。
 嚢胞性病変
 画像診断所見により定義される単純嚢胞の規準を満たす病変は、その定義上、当然単
純嚢胞であることから腫瘍病変とみなすべきではない(測定可能病変・測定不 能病変
のいずれでもない)。
 嚢胞性転移によると思われる「嚢胞性病変」が、測定可能の定義を満たす場合には、
測定可能病変とすることができる。しかし、同一患者で他に非嚢胞性病変が認められ
る場合は、非嚢胞性病変を標的病変に選択することが望ましい。
 局所療法の治療歴のある病変
 過去の放射線治療の照射野内や、その他の局所療法 が影響する範囲に存在する腫瘍病
変は、病変が増悪を示さない限り、通常、測定可能とはしない。こうした病変を測定
可能とする場合にはその条件をプロトコールに詳細に記載する。
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+
ベースラインにおける評価フロー
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腫瘍の発見
標的とされな
かった測定可能
病変
測定不能測定可能
非標的病変標的病変
新病変の取り扱いは
後述します。
+
ベースライン:
標的病変と非標的病変
 標的病変
 5つの測定可能病変
 1臓器につき2つまで
 大きいものから優先的に選択。ただし、継時的に計測が可能であること。
もし継時的な計測が難しい場合は、その次の大きさの病変を標的病変と
すること。
 ベースライン径和(ベースラインにおける全標的病変の径和)
 リンパ節でない測定可能病変の長径(横断面)を合計
 リンパ節の測定可能病変の短径を合計
 非標的病変
 多発性病変は1臓器につき1つの病変として記録できる。
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+
フォローアップの評価
 ベースラインで定義した標的病変を計測
 小さすぎて測定できない場合は5mmを記録
 完全に消失した場合は0mmを記録
 分離した場合はそれぞれを計測しその和を記録
 境界面が残り結合した場合は、それぞれを計測
 境界面が不明になるように結合した場合は、融合した病変の長径を
計測
 ベースラインで定義した非標的病変を計測
 新病変の有無を確認
 標的病変径和(時点における全標的病変の径和)
 リンパ節でない測定可能病変の長径(横断面)を合計
 リンパ節の測定可能病変の短径を合計
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+
標的病変の効果判定基準
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効果 定義
完全奏功
Complete Response:CR
すべての標的病変の消失。 標的病変と
して選択したすべてのリンパ節病変は、
短径 で10mm未満に縮小しなくてはな
らない。
部分奏功
Partial Response:PR
ベースライン径和に比して、標的病変
の径和が30%以上減少。
進行
Progressive Disease:PD
経過中の最小の径和(ベースライン径
和が経過中の最 小値である場合、これ
を最小の径和とする)に比して、標的
病変の径和が20%以上増加、かつ、径
和が絶対値でも5mm以上増加。
安定
Stable Disease:SD
経過中の最小の径和に比して、PRに
相当する縮小がなくPDに相当する増
大がない。
+
非標的病変の効果判定基準
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効果 定義
完全奏功
Complete Response:CR
すべての非標的病変の消失かつ腫瘍
マーカー値が基準値上限以下。すべて
のリンパ節は病的腫大とみなされない
サイズ(短径が10mm未満)とならな
ければならない。
非CR/非PD
Non-CR/Non-PD
1つ以上の非標的病変の残存かつ/また
は腫瘍マーカー値が基準値上限を超え
る。
進行
Progressive Disease:PD
既存の非標的病変の明らかな増悪。
+
新病変
 放射線画像での新病変の同定に関する特別な定義はない。
 新病変の所見は明らかな(unequivocal)ものでなければならない。
撮影方法の相違や画像モダリティの変更 による変化や、腫瘍以外
の何かを示すと考えられる所見(例えば「新しい」骨病変の中に
は、既存の病変の治癒の過程 や一過性の見かけ上の増悪を見てい
るに過ぎないものがあり得る)であってはならない。
 撮影を反復した後に新病変と判定された場合、最初の撮影の日付
をもって増悪とする。
 ベースライン評価では撮影されなかった臓器や部位において、経
過の検査で病変が同定された場合、それは新病変とみなされる。
 超音波やFDG-PETのみの所見では新病変は認められず、CTまた
はMRIの評価と合わせて新病変として認められなければならない。
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+ FDG-PETによる新病変判定の取り扱い
 FDG-PET 陽性病変:吸収補正画像においてFDG 取り込みが周囲
組織の2倍を超えるFDG集積病変を意味する。
 a. ベースライン評価での FDG-PET 陰性かつ経過時のFDG-PETが
陽性*となった場合: 新病変としてPDとする。
 b. ベースライン評価では FDG-PET 不施行で、経過時に FDG-
PETが陽性となった場合: 経過時の FDG-PET 陽性が、CTで確認
された新病変に対応する場合はPDとする。
 経過時のFDG-PET陽性が、CTで新病変と確認されない場合は、
当該部位で真の増悪か否かを判定するために、さらに経過観察後
の CTの再検を要する(真に増悪だった場合、PD判定日はFDG-
PET が最初に陽性を示した日とする)。
 CTの形態画像上は増悪と判断されなかった病変で、FDG-PETが
陽性であってもそれはPDとしない。
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+
評価なしや評価不能の場合
 データの欠損や画質の問題による評価不能が起こった場合は、
評価不能:Not Evaluable(NE)を記録する。
 一部の病変の評価しか行われなかった場合にも、その時点の効
果は通常NEとする。ただし、評価されなかった病変を考慮し
ても、その時点の判定された効果が変わらないことが、論理的
に明らかな場合は(つまり、PDの場合)この限りではない
(つまり、時点効果もPDとするなど)。
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+
標的病変の再発の取り扱い
 総合評価がSD/PRのとき
 計測を再開し、径和に加算する。
 総合評価がCRのとき
 PDとする。
© Visionary Imaging Services, Inc.
+
ベースラインで測定可能病変があっ
た場合の総合効果
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標的病変の効果
非標的病
変の効果
(-) PD NE CR PR SD
(-) (-) PD NE CR PR SD
PD PD PD PD PD PD PD
NE NE PD NE PR PR SD
CR CR PD NE CR PR SD
Non-CR, non-
PD(SD) SD PD NE PR PR SD
+
ベースラインで測定可能病変がな
かった場合の総合効果
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新病変
非標的病変の
効果
あり なし
CR PD CR
Non-CR, non-
PD(SD) PD
Non-CR, non-
PD(SD)
Not all evaluated PD NE
Unequivocal
Progression
PD PD
その他 PD PD
+
すべての評価時点を通じての
最良総合効果
 完全奏効や部分奏効の確定が必要ではない試験:
 全時点を通しての最良の効果(例えば、最初の評価でSD、2回目の評価
でPR、最終評価でPDなら、最良総合効果はPR)
 最良総合効果を SDとする場合には、プロトコールで定められたベース
ラインからの最短期間の規準をも満たさなければならない。
 最短期間の規準が満たされないことを除いてSDが最良の効果である場
合、最良総合効果はその次の評価により異なる。例えば、最初の評価で
SD、2 回目の評価で PD の時、SD の最短期間の規準を満たしていない
場合には、最良総合効果はPDとなる。同様の患者が、最初の SD 評価
の後に追跡不能となった場合には、最良総合効果は「評価不能」とされ
る。
 完全奏効や部分奏効の確定が必要とされる試験:
 完全奏効や部分奏効は、プロトコールで定められた、次の評価時点(通
常は4週後)においても、それぞれの規準が満たされた場合にのみ判定
することができる。
 確定を要する場合、最良総合効果は、表3のように決められる。
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+
補足資料;表3
(RECIST1.1ガイドラインより引用)
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+
確定について
 腫瘍縮小効果がprimary endpointである非ランダム化試験にお
いては、判定された効果が測定誤差による結果ではないことを
保証するために、PR およびCRの確定が必要である。
 ランダム化試験(第 II 相、第 III 相)や、安定(SD)もしくは
増悪が primary endpoint である試験においては、効果の確定は
試験結果の解釈に対して価値を追加するものとはならないため、
効果の確定は不要である。
 ただし、盲検化されていない試験においては特に、効果の確定が必
要とされなくなったことにより、バイアスを回避するための中 央
判定(central review)※の重要性が増す。
 SDの場合、試験登録後、試験プロトコールで定義される最短の間
隔(通常は6〜8 週間以上)を経た時点までに測定値が1回以上SD
の規準を満たさなければならない。
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お問い合わせ
 Visionary Imaging Services, Inc.
 CRA・CRC様向けの研修など承っております。
 よろしくお願いいたします。
 http://www.vis-ionary.com/vis-imaging-core-lab-services
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  • 1. + RECIST 1.1 How To RECIST評価に携わる方のためのハンドアウト 2016/6/3 Visionary Imaging Services, Inc. © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 2. + 目次  評価の流れ  補足)評価画像の取得について  測定可能病変  測定不能病変  その他の所見  ベースラインにおける評価フロー  ベースライン:標的病変と非標的病変  フォローアップの評価  標的病変の効果判定基準  非標的病変の効果判定基準 © Visionary Imaging Services, Inc.  新病変  FDG-PETによる新病変判定の取り扱い  評価なしや評価不能の場合  標的病変の再発の取り扱い  ベースライン測定可能病変ありの総合効果  ベースライン測定可能病変なしの総合効果  すべての評価時点を通じての最良総合効果  確定について  コンタクト
  • 4. + 補足)評価画像の取得について  CT  可能な限りスライス厚≦5mm,ギャップなし、基本は横断像  経静脈造影、経口造影剤利用OK  一貫したデータ取得と再構成手順  MRI  T1w, T2w, T1w(CE)など、可能な限りスライス厚≦5mm,ギャップなし、基本は横断像  一貫したデータ取得と再構成手順  FDG-PET  良悪性の判断や新病変の検出に用いられることがある  一貫したデータ取得と再構成手順  PET/CT  良悪性の判断や新病変の検出に用いられることがある  PET/CT の一部として実施されるCT が、(静注や経口 の造影剤を用いた)診断用CTと同等の診断上の品質を有す るものであることを施設が証拠書類をもって証明できる場合には、測定にPET/CTのCT像を使用できる。  一貫したデータ取得と再構成手順  胸部レントゲン  肺実質に囲まれた病変の胸部X線での測定を行ってもよい  超音波  再現性に課題があるため、測定には推奨されない。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 5. + 測定可能病変  CTまたはMRIの横断面で長径10mm以上。もし画像スライス厚 が5mmを超える場合は、スライス厚の2倍を基準とする。  胸部レントゲン上で20mm以上の長径。肺実質に囲まれた病変 であること。ただし、CTでの測定が推奨される。  キャリパーを添えて撮影した写真上で確認できる長径10mm以 上の表在性病変(正確に測定できない時、測定不能病変とす る)。  CT上で短径15mm以上のリンパ節。画像スライス厚は5mmを 超えないこと。  超音波画像は利用不可。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 6. + 測定不能病変  測定可能病変でない病変  長径10mm未満の腫瘍  短径10〜14mmのリンパ節  軟膜髄膜病変  腹水  胸水  心嚢水  炎症性乳がん  皮膚や肺のリンパ管症  視触診では認識できるが再現性のある画像検査法では測定可能で はない腹部腫瘤や腹部臓器の腫大  良性所見 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 7. + その他の所見  骨病変  骨病変測定の画像検査法としての骨シンチグラフィ、 FDG-PET、単純X線撮影は、骨 病変の存在または消失を確認することには使用可能である。  同定可能な軟部組織成分を含み、CTやMRIなどの横断画像により評価できる溶骨性骨 病変や溶骨性造骨性混合骨病変は、軟部組織成分が測定可能の定義を満たす場合には、 測定可能病変とすることができる。  造骨性骨病変は測定不能である。  嚢胞性病変  画像診断所見により定義される単純嚢胞の規準を満たす病変は、その定義上、当然単 純嚢胞であることから腫瘍病変とみなすべきではない(測定可能病変・測定不 能病変 のいずれでもない)。  嚢胞性転移によると思われる「嚢胞性病変」が、測定可能の定義を満たす場合には、 測定可能病変とすることができる。しかし、同一患者で他に非嚢胞性病変が認められ る場合は、非嚢胞性病変を標的病変に選択することが望ましい。  局所療法の治療歴のある病変  過去の放射線治療の照射野内や、その他の局所療法 が影響する範囲に存在する腫瘍病 変は、病変が増悪を示さない限り、通常、測定可能とはしない。こうした病変を測定 可能とする場合にはその条件をプロトコールに詳細に記載する。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 8. + ベースラインにおける評価フロー © Visionary Imaging Services, Inc. 腫瘍の発見 標的とされな かった測定可能 病変 測定不能測定可能 非標的病変標的病変 新病変の取り扱いは 後述します。
  • 9. + ベースライン: 標的病変と非標的病変  標的病変  5つの測定可能病変  1臓器につき2つまで  大きいものから優先的に選択。ただし、継時的に計測が可能であること。 もし継時的な計測が難しい場合は、その次の大きさの病変を標的病変と すること。  ベースライン径和(ベースラインにおける全標的病変の径和)  リンパ節でない測定可能病変の長径(横断面)を合計  リンパ節の測定可能病変の短径を合計  非標的病変  多発性病変は1臓器につき1つの病変として記録できる。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 10. + フォローアップの評価  ベースラインで定義した標的病変を計測  小さすぎて測定できない場合は5mmを記録  完全に消失した場合は0mmを記録  分離した場合はそれぞれを計測しその和を記録  境界面が残り結合した場合は、それぞれを計測  境界面が不明になるように結合した場合は、融合した病変の長径を 計測  ベースラインで定義した非標的病変を計測  新病変の有無を確認  標的病変径和(時点における全標的病変の径和)  リンパ節でない測定可能病変の長径(横断面)を合計  リンパ節の測定可能病変の短径を合計 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 11. + 標的病変の効果判定基準 © Visionary Imaging Services, Inc. 効果 定義 完全奏功 Complete Response:CR すべての標的病変の消失。 標的病変と して選択したすべてのリンパ節病変は、 短径 で10mm未満に縮小しなくてはな らない。 部分奏功 Partial Response:PR ベースライン径和に比して、標的病変 の径和が30%以上減少。 進行 Progressive Disease:PD 経過中の最小の径和(ベースライン径 和が経過中の最 小値である場合、これ を最小の径和とする)に比して、標的 病変の径和が20%以上増加、かつ、径 和が絶対値でも5mm以上増加。 安定 Stable Disease:SD 経過中の最小の径和に比して、PRに 相当する縮小がなくPDに相当する増 大がない。
  • 12. + 非標的病変の効果判定基準 © Visionary Imaging Services, Inc. 効果 定義 完全奏功 Complete Response:CR すべての非標的病変の消失かつ腫瘍 マーカー値が基準値上限以下。すべて のリンパ節は病的腫大とみなされない サイズ(短径が10mm未満)とならな ければならない。 非CR/非PD Non-CR/Non-PD 1つ以上の非標的病変の残存かつ/また は腫瘍マーカー値が基準値上限を超え る。 進行 Progressive Disease:PD 既存の非標的病変の明らかな増悪。
  • 13. + 新病変  放射線画像での新病変の同定に関する特別な定義はない。  新病変の所見は明らかな(unequivocal)ものでなければならない。 撮影方法の相違や画像モダリティの変更 による変化や、腫瘍以外 の何かを示すと考えられる所見(例えば「新しい」骨病変の中に は、既存の病変の治癒の過程 や一過性の見かけ上の増悪を見てい るに過ぎないものがあり得る)であってはならない。  撮影を反復した後に新病変と判定された場合、最初の撮影の日付 をもって増悪とする。  ベースライン評価では撮影されなかった臓器や部位において、経 過の検査で病変が同定された場合、それは新病変とみなされる。  超音波やFDG-PETのみの所見では新病変は認められず、CTまた はMRIの評価と合わせて新病変として認められなければならない。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 14. + FDG-PETによる新病変判定の取り扱い  FDG-PET 陽性病変:吸収補正画像においてFDG 取り込みが周囲 組織の2倍を超えるFDG集積病変を意味する。  a. ベースライン評価での FDG-PET 陰性かつ経過時のFDG-PETが 陽性*となった場合: 新病変としてPDとする。  b. ベースライン評価では FDG-PET 不施行で、経過時に FDG- PETが陽性となった場合: 経過時の FDG-PET 陽性が、CTで確認 された新病変に対応する場合はPDとする。  経過時のFDG-PET陽性が、CTで新病変と確認されない場合は、 当該部位で真の増悪か否かを判定するために、さらに経過観察後 の CTの再検を要する(真に増悪だった場合、PD判定日はFDG- PET が最初に陽性を示した日とする)。  CTの形態画像上は増悪と判断されなかった病変で、FDG-PETが 陽性であってもそれはPDとしない。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 15. + 評価なしや評価不能の場合  データの欠損や画質の問題による評価不能が起こった場合は、 評価不能:Not Evaluable(NE)を記録する。  一部の病変の評価しか行われなかった場合にも、その時点の効 果は通常NEとする。ただし、評価されなかった病変を考慮し ても、その時点の判定された効果が変わらないことが、論理的 に明らかな場合は(つまり、PDの場合)この限りではない (つまり、時点効果もPDとするなど)。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 16. + 標的病変の再発の取り扱い  総合評価がSD/PRのとき  計測を再開し、径和に加算する。  総合評価がCRのとき  PDとする。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 17. + ベースラインで測定可能病変があっ た場合の総合効果 © Visionary Imaging Services, Inc. 標的病変の効果 非標的病 変の効果 (-) PD NE CR PR SD (-) (-) PD NE CR PR SD PD PD PD PD PD PD PD NE NE PD NE PR PR SD CR CR PD NE CR PR SD Non-CR, non- PD(SD) SD PD NE PR PR SD
  • 18. + ベースラインで測定可能病変がな かった場合の総合効果 © Visionary Imaging Services, Inc. 新病変 非標的病変の 効果 あり なし CR PD CR Non-CR, non- PD(SD) PD Non-CR, non- PD(SD) Not all evaluated PD NE Unequivocal Progression PD PD その他 PD PD
  • 19. + すべての評価時点を通じての 最良総合効果  完全奏効や部分奏効の確定が必要ではない試験:  全時点を通しての最良の効果(例えば、最初の評価でSD、2回目の評価 でPR、最終評価でPDなら、最良総合効果はPR)  最良総合効果を SDとする場合には、プロトコールで定められたベース ラインからの最短期間の規準をも満たさなければならない。  最短期間の規準が満たされないことを除いてSDが最良の効果である場 合、最良総合効果はその次の評価により異なる。例えば、最初の評価で SD、2 回目の評価で PD の時、SD の最短期間の規準を満たしていない 場合には、最良総合効果はPDとなる。同様の患者が、最初の SD 評価 の後に追跡不能となった場合には、最良総合効果は「評価不能」とされ る。  完全奏効や部分奏効の確定が必要とされる試験:  完全奏効や部分奏効は、プロトコールで定められた、次の評価時点(通 常は4週後)においても、それぞれの規準が満たされた場合にのみ判定 することができる。  確定を要する場合、最良総合効果は、表3のように決められる。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 21. + 確定について  腫瘍縮小効果がprimary endpointである非ランダム化試験にお いては、判定された効果が測定誤差による結果ではないことを 保証するために、PR およびCRの確定が必要である。  ランダム化試験(第 II 相、第 III 相)や、安定(SD)もしくは 増悪が primary endpoint である試験においては、効果の確定は 試験結果の解釈に対して価値を追加するものとはならないため、 効果の確定は不要である。  ただし、盲検化されていない試験においては特に、効果の確定が必 要とされなくなったことにより、バイアスを回避するための中 央 判定(central review)※の重要性が増す。  SDの場合、試験登録後、試験プロトコールで定義される最短の間 隔(通常は6〜8 週間以上)を経た時点までに測定値が1回以上SD の規準を満たさなければならない。 © Visionary Imaging Services, Inc.
  • 22. + お問い合わせ  Visionary Imaging Services, Inc.  CRA・CRC様向けの研修など承っております。  よろしくお願いいたします。  http://www.vis-ionary.com/vis-imaging-core-lab-services © Visionary Imaging Services, Inc.