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PRML 第12章 連続潜在変数
後半
東京大学 大学院新領域創成科学研究科
情報生命科学専攻
博士一年 福永 津嵩
前半の復習
• 主成分分析
– D次元の観測変数をM次元の空間に直行射影
する事
• 確率的主成分分析
– M次元の潜在変数を線形変換してD次元の観
測変数を生成するというモデル
– 確率モデルを用いて定式化することで、EMア
ルゴリズムを用いて解を求める事が出来る
次元Mをどのように決めるか?
• 可視化が目的
– M = 2
• データ集合の固有値スペクトルをプロッ
トし、境目を見いだす
– よくわからない事も多い
• クロスバリデーション
– 計算時間が大変
• ベイズ的に取り扱う事で、モデル選択を
行うのが自然
ベイズ的主成分分析
• Wの各列ベクトルに対して、独立なガウス
分布を事前分布として設定
• パラメーターを最適化していくと、いく
つかの は無限大となるため、 が0とな
る
– 次元が自動的に決定される
– 関連度自動決定(第7章参照)
パラメーターの推定
• 周辺尤度
• ラプラス近似(第4章)後に周辺尤度を最大
化
• パラメーターをEMアルゴリズムで再推定
(Mステップのみ変化)
• 反復
因子分析と主成分分析
• 観測変数の出力分布の共分散行列を、等
方的でない対角行列にしたモデルを、因
子分析という
• 主成分分析とは異なり、データの共分散
構造を考える事が出来る。
• 解は主成分分析とは異なり閉じた解では
求まらず、EMアルゴリズムを用いる必要
がある。(詳細は略)
使い分け?
• ネットで調べると出てくる「主成分分析
と因子分析の違い」は、独立因子の解釈
に重点を置いているため、数理的に多分
問題がある。
– 回転普遍性による識別不可能性
• 「潜在変数空間の形に興味がある」
– とは?
カーネル主成分分析
• カーネル化する事で非線形性を取り扱う
事が出来る(第6章)
• N×N行列の固有ベクトルを見いだす必要
がある→近似手法の開発
• 初めに、データ集合の平均が0であると仮
定してカーネル主成分分析を導く
カーネル主成分分析の導出
Cをサンプル共分散行列とし、その固有ベク等展
開を以下のように表す
Cを代入すると、
更に元の式に代入すると、
規格化条件・主成分空間への射影
両辺にφをかけて
規格化条件は
主成分への射影は
カーネル主成分分析の一般化
データ平均が0だとする仮定を取り除く
展開する事で、下の式を得る
独立成分分析
非線形または非ガウス的であるモデルを扱
う。独立成分分析は、潜在変数の分布が独
立同時分布に分解されるモデルである。
観測変数は潜在変数の線形結合となる
独立成分分析
• 潜在変数がガウス分布に従う時、独立因
子を見いだす事は出来ない
– 潜在変数空間の回転が尤度関数に取って不変
なため
• よく使われる分布
• 潜在変数と観測変数が一致せず、ノイズ
が含まれているとするモデル→独立因子
分析
自己連想ニューラルネットワーク
D個の入力ユニットと出力ユニットを持
ち、M個の隠れユニットを持つニューラル
ネットワークを考える(第5章)
入力ベクトルと出力ベクトルを同じにする
事で、部分空間への写像と等しくなる
自己連想ニューラルネットワーク
隠れユニットが一層であるとき、活性化
関数を非線形としても、非線形主成分分析
にはならない。非線形主成分分析を行うた
めには、ユニットを多層化する必要があ
る。
混合確率主成分分析
• K-meansなどでクラスタリングし、デー
タを局所的に分割した後に主成分分析、
因子分析
• 確率モデル化→混合確率主成分分析、混
合因子分析
• 変分推定によりベイズ的な取り扱いが可
能
主成分曲線
• 主成分分析→二乗和誤差最小の線形部分
空間を見いだす
• 主成分曲線→二乗和誤差最小の非線形曲
線を見いだす
• 曲線は弧長をパラメーターとして採用す
る
• 多次元への拡張は難しい
多次元尺度構成法
• 2個のデータ点間の距離を保存するよう
に、距離行列の固有ベクトルを求め、射
影行列を見いだす
• ユークリッド距離なら主成分分析と等し
い
• 可視化が目的として使われる
• MDSと略される
局所線形埋め込み
• データの各点を、近傍の点の線形結合で
表現し、その係数を保ったまま低次元空
間に写像する。
• 各点間の関係性は保たれたまま写像され
る。
• LLE
等長特徴写像
• 測地線距離を用いたMDS
• Ex) 弦の長さではなく弧長
• 近傍点をつないだ近傍グラフを構成し、
最短経路に沿って弧長を求める
潜在特性モデル
• 潜在変数が連続で観測変数が離散である
モデル
• 潜在変数の周辺化は解析的に難しく洗練
された手法が必要らしい
• やはりデータ集合の可視化に用いられる
密度ネットワーク
• ニューラルネットワークを用いて、潜在
変数の分布を非線形に変換
• 尤度関数が求められない→サンプリング
によるモンテカルロ積分を行い擬似的に
尤度を求める
• 計算が大変
自己組織化マップ(SOM)
• 2次元の離散的な格子を考える、各点は
入力ベクトルと同次元のベクトルを持つ
• 入力ベクトルが与えられると、その近傍
の点が学習を行う。
• 訓練が進むと、最初はランダムだった点
が、入力データに併せてクラスター化し
ていく
• 保証はない!
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• SOMをK-meansとすると、GTMは混合ガ
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• すみませんよくわかりません

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