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『オープンソースで学ぶ社会ネットワーク分析』1章 イントロダクション
- 4. アジェンダ
● 社会ネットワーク分析ってなに?
● 背景、理論的なこと
● 具体例
– インフォーマルネットワークの力
● 企業の組織改革
● 監獄、テロ組織
– エジプト革命とTwitter
- 10. 社会ネットワーク研究者の溜息
● SNA(社会ネットワーク分析)は、Twitterや
Facebookの30年以上前からあるよ!!!
● ソーシャルメディア研究以外にも使えるよ!!
- 12. SNAの躍進
● 10年前は「僻地」
– 社会学からも、コンピュータ科学からも無視
● ソーシャルインターネットの登場
– 大量のデータを日々生産
– APIで簡単にデータ取れる
– 政府がデータを公開 ←知らんかった
- 13. この本でやること
● ソーシャルメディアデータの分析
– Twitter、Facebook、LiveJournalのデータ
– オンラインコミュニティの見つけ方
– バイラルなビデオやフラッシュモブの仕組み
● ソーシャルメディアの向こう側へ
– 企業間の関係
– 組織内のソーシャルネットワーク
– 政治、テロ、革命
- 15. 関係分析とは
● 人間の人となり、行動様式を決めるのは、
人々の関係の総体
● でも「関係」っていろいろあるよね
– 愛情、友情
– 信頼、影響
– 嫌悪、衝突
- 16. ● 何をもって「関係」とするか
● 分析の目的次第で変わる
– フォローしてるか
– リプライ飛ばしたことあるか
● グラフ理論的には、関係のモデルとして以下
のような分類がある
– 重みなし/重みつき
– 対称/非対称
– シングルモード/マルチモード
- 17. 重みなし/重みつき
● 友人、知人、家族、恋人 これらを一括りに
同じ「人間関係」って言っていい?
● 辺に重みをつけることによって、関係の深さ
を表現したのが重みつきグラフ
- 18. 対称/非対称
● 教師/生徒、上司/部下、親/子 これらっ
て向きがある関係だよね
– Twitterのフォローも!!
● mixi、Facebookは対称的な関係
– 相互承認によって「ソフトウェアが対称性を強
制」
- 20. 既存の手法との違い
● 統計学では、すべての出来事が独立して起こ
ると仮定
● SNAでは、独立した出来事などない!
– AとB、BとCが知り合いならAとCが知り合いの可
能性が高い
– すべては相互依存している
- 24. 「インフォーマルな関係」って何
● 「集団や組織のなかで人格的結びつきを基盤
にして発達する関係。正規に承認された手続
きから外れたかたちでものごとをおこなう」
(ギデンズ大先生)
- 25. 参考:ホーソン実験
● 職場の物理的環境やフォーマルな組織体系よ
りも、職場内で自然にできたインフォーマル
な関係のほうが、従業員の生産性に影響を与
える
● 職場の人間関係うまくいってる? 仲いい人
いる?
- 26. 事例:アクメコンサルティング
● あるコンサルティング会社の組織改革
● 旧態依然とした縦割りの組織体系から、今風
のクライアント単位のクロスファンクショナ
ルチームに
- 28. ● 部署間の対立は解消され、問題解決のスピー
ドが上がった! はずだったが……
● 「ルーチンペーパーワーク」関連のミスが多
発
– 間違った文書提出しちゃった!!
– 文書がどっか行っちゃった!!
● もとは秘書グループがやってた仕事
- 29. ● 立て直すため、コンサルタントを雇った
● コンサルタントが全社員に調査
– 誰がアドバイスしてくれたか
– 誰を信頼しているか
– 退社後仲良く付き合っているのはだれか
- 32. 結果
● 社内でもっとも信頼されていたのは、秘書の
Fridaだった!!
● 組織変更のせいで社員が彼女のアドバイスを
得られなくなったのが、ミスが多発した原因
だった
- 33. インフォーマルネットワークの力
● Fridaをアドバイザに昇格させることで、アク
メコンサルティングは立ち直った
● このように、インフォーマルネットワークの
力は強大だが、経営者にとっては邪魔な存在
– フォーマルな組織通りにやってほしいよね
- 36. なぜ無理なのか
● 監獄の中でさえも、インフォーマルネット
ワークが形成される
– 獄中メールシステムにより監房間で手紙を交換し
て情報共有
– 刑務所を渡り歩く「プロの囚人」が刑務所間の情
報交換を媒介
● 刑務所内での社会的規範(盗人の法律)を維
持、執行
- 41. まとめ
● インフォーマルネットワークの力は強い
– 従業員の作業効率がぜんぜん変わってくる
● 制御することが難しい
– 監獄の中でも作られる
– 潰しても自己修復する
- 45. 弱い紐帯(weak tie)の力
● そこまで仲良くない、コミュニケーション頻
度の低い相手が、実は重要
– 関係維持のコストが低い
– 対立発生しづらい
– でも、自分とは異なる視点、情報を持っている
● 求職活動では弱い紐帯がきわめて重要だとい
う、超有名な研究があったりする
– グラノヴェター大先生
- 46. 弱い紐帯とSNS
● でも、弱い紐帯だからって維持コストは0
じゃないよね
– たまには連絡取らないと関係消えちゃう
– 150人ぐらいが限界らしい
● そこにSNSが登場!!
– 関係維持に必要なコストがめっちゃ減った
– だってツイート読むだけだもん
- 47. エジプト革命とTwitter
● 筆者たちのグループが、エジプト革命前後の
ツイートを分析
● リツイートに注目
– 「Twitter上での影響の基本単位はリツイート」
- 49. 結果
● 少数の人々が、他の人々と比べて異常に多く
のリツイートを生み出している
– 影響力持てるのはほんの一部
● リツイートの数はフォロワーの数とは無関係
● 「同じことを考えている人々を多数集めた集
団に入っているか」が重要
– ワエル・ゴニムとジャスティン・ビーバー
- 50. 結果まとめ
● 「革命はセレブや有名人によってブロード
キャスとされたわけではない。普通の人が集
まる密度の濃い集団がメッセージの共鳴室に
なったのである」
● 大事なのは「数」ではなく「密度」
● あれ、これってマーケティングに使えね?
– 闇雲にフォロワー増やすより、密度の濃い集団にターゲット絞った方が効果的……?
- 53. それは今後のお楽しみでーす
2章 グラフ理論スピード入門
3章 中心性、権力、ボトルネック
4章 クリーク、クラスタ、コンポーネント
5章 2モードネットワーク
6章 バイラルへ!―情報の拡散
7章 現実のグラフデータ
● ざっと見た感じだと、7章がヤバそう