8時間耐久 PHP構築の教室

8時間耐久
PHP構築の教室

8時間耐久PHP構築の教室 / Yusuke Ando (@yando)

テキスト


http://tech.a-listers.jp/

本日の対象者
PHPを使っている
環境構築が苦手
真っ白になると固まる
実行委員長


PHPの構築に
関するイロハを
徹底的に学びます


本日のメニュー

PHPの動く仕組み
ビルドのイロハ
設定と拡張
最適化への道


PHPの動く仕組み

PHPのページが動く時
•Webサーバ (Apache等)
URLを元にリソースを特定
•PHP
指定されたPHPスクリプトを解析
•PHP拡張モジュール (C言語)
PHPから必要に応じて呼び出される

言語としては２番目のみがPHP


HTMLを表示する流れ
公開ディレクトリ
Webサーバ

httpd.conf
どのディレクトリを公開す
るか等が設定されている

ファイルを探して返すのみ

PHPが動作する流れ
Webサーバ
自分で書くのは大抵これ

PHP
PHP
スクリプト

拡張モジュール

複数のプログラムが連携

PHPが動く環境

様々なプログラムが協調して
動作する環境

様々な知識が必要

自動インストール

# yum install php
# apt-get install php
# port install php5

何が起きたか理解している？訳も分からずコピペしてない？

トラブルの原因がわかる？設定の方法は？


根源的な
知識

自力での
構築と設定
を学ぼう

注意

運用環境を1から構築するの
は時代遅れ
付け焼刃の手動構築はかえっ
て手間になる


補足

今回はVirtualBoxに
CentOS6.0のイメージを入れ
て使います

CentOs 6.0 base x86_64
http://virtualboxes.org/images/centos/


VM設定メモ

•DVDメディアを除去
•ネットワークをブリッジ接続に
•キーボードを us に変えておく
/etc/sysconﬁg/keyboard
•複数人ならMacアドレスの変更が必要


ビルドのイロハ

ビルドとは？
•ソースからバイナリを作る(C言語)
•コンパイルとも呼ぶ
•その環境用のバイナリを作る


自動インストール

•バイナリパッケージ
•特定の環境用のバイナリを配布
•OSやCPUが違うと非互換
•RedHutのrpmがきっかけに大流行
•WindowsやMacなどでは単純
•誰かがどこかでビルドしたもの


gcc
•GNU Compiler Collection
•C言語、C++などをコンパイルできる
•Richard Stallman (1985)
•25年以上現役の超重要ソフトウエア


gcc入ってる？

# which gcc

•入ってない
/usr/bin/which: no gcc in ....
•入ってる
/usr/bin/gcc


gccの導入

•gccはバイナリパッケージで入れる
•gccにもバージョンがある
•gccが古くてビルド失敗なんて事も

# yum install gcc


gccがあれば
•gccコマンドでC言語をコンパイル可能
•出来たバイナリは実行できる！
#include <stdio.h>

int main(void) {
printf("Hello World");
return 0;
}

$ gcc hello.c -o hello

練習: gccでhello world
•まっさらなCentOS6.0
•キーボード設定・アカウント設定
•reboot
•which gcc
•yum install gcc
•hello worldのソースをコンパイル
•出来たバイナリを実行


これでPHPもいける？

•PHPのソースは大量のCのソース
•環境に合わせて変更する部分とか
•コンパイルする順番も存在

周辺のツールも無いとPHPのような
大きなソフトウェアは導入できない


定番なツール群
•autoconf
環境に合わせてビルド設定を行う
•make (automake)
順番の考慮や依存関係の解決など複
雑なビルドタスクを実行する
•sshd (openssl-server)
sshで入って作業できると楽


sshd導入
•yum install openssl-server
•/etc/ssh/sshd_conﬁg に追記
PermitRootLogin no

•近年は攻撃が多いので認証が理想
•sshdの稼働ポートも課題
•iptables -F しないと入れない(邪悪)

autoconf & make
•autoconf
CentOS6では入ってた
•make
入ってないので導入する
# yum install make


PHPのtar ball

$ curl -L -O http://jp2.php.net/get/php-5.4.4.tar.gz/
from/this/mirror
$ mv mirror php.tar.gz
$ tar zxf php.tar.gz


PHPのソース
•大量のCのソース群
$ ﬁnd ./ -type f | grep ".c" | wc
905 905 27290

•大まかなレイアウトを知っておくとト
ラブル解決に役立つ


PHPのソース

PHP内部の肝はZend Engine
拡張はエンジンの機能で作られる

PHPのソース


あの関数もCで書かれている

なにやら怪しい記述


そういう事か

$ php -r "var_dump(date('Y-m-d',mktime(0,0,0,12,24,70)));"
string(10) "1970-12-24"
$ php -r "var_dump(date('Y-m-d',mktime(0,0,0,12,24,69)));"
string(10) "2069-12-24"


PHPのビルドの流れ
•conﬁgure
ビルドに必要なライブラリの確認等
•make
バイナリを作る
•make install
出来上がったバイナリをコピー


./conﬁgure してみた

libxml2が無いらしい...


libxml2
# yum install libxml2

OK!

./conﬁgure してみたが？

libxml2が無いらしい...
(libxml2-devel も入れよう)

./conﬁgure 成功!


make

時間がかかる
（ファンも回る）


数分後...

バイナリが出来た！


make installの前に

•make installをするとシステムに投入
•システムの挙動が変わる
•ビルドまでの作業はrootは不要
•コマンドラインを使って動作確認

PHPに限った話ではありません


動作確認
$ ./sapi/cli/php -v
PHP 5.4.4 (cli) (built: Jul 8 2012 04:15:27)
Copyright (c) 1997-2012 The PHP Group
Zend Engine v2.4.0, Copyright (c) 1998-2012 Zend
Technologies

$ ./sapi/cli/php -r 'echo "Hello Wolrdn";'
Hello Wolrd

なんか動きそう？


よろしい

一応インストール完了


甘ぇよ...

MySQLが無い
mbstringが無い
gdが無い
etc..

WordPressとか
動かない


動かすだけなら...
$ php -S 192.168.225.15:8000
PHP 5.4.4 Development Server started at Sun Jul 8 04:50:57 2012
Listening on 192.168.225.15:8000
Document root is /home/yando/docs
Press Ctrl-C to quit.
[Sun Jul 8 04:51:00 2012] 192.168.225.5:57229 [200]: /index.php

PHP5.4からの新機能
(PHPだけで開発サーバになる)


ここまでのまとめ

•ツールをえて
•ソースからビルドしてインストール
•望む構成を得るにはさらに設定が必要

現代の日本人にはこれだけでは不十分


練習: phpをmake
•curl -L -O {url from php.net}
•mv mirror php.tar.gz
•tar zxf php.tar.gz
•yum install make
•cd php-5.4.4
•./conﬁgure
•make


設定と拡張

設定と拡張の必要性

•mbstringが使いたい
•MySQLが使いたい
•gdが使いたい
•○○が使いたい
設定により上記を可能にするのが
PHP拡張


PHP拡張

MySQLやmbstringは
拡張

PHP自体はセットアップできた


configureオプション

•configureの際にオプションを付ける
とビルドされるバイナリ、拡張が変わる
•configure後は再度、ビルドを行う
•ビルド後は変えられない設定も

どのオプションでビルドされたか？
がとても重要

オプションの調べ方
•conﬁgure --help
•PHPのマニュアルを見る

ものすごくたくさん(約250種)


mbstring
•文字コードの変換などに使う
•日本では事実上、必須の拡張
$ conﬁgure --enable-mbstring
$ make
# make install

有効にするのは簡単


入った！


もう一つの方法
•共有ライブラリ
•拡張部分が別のバイナリになる
•有効にするには php.ini の変更も必要
$ conﬁgure --enable-mbstring=shared
$ make
# make install
extension=mbstring.so

一見面倒に見える


静的リンクと動的リンク
静的リンク動的リンク

PHP
PHP

mbstring mbstring

静的リンクはPHP本体のバイナリに
拡張が組み込まれる

運用上の違い
•静的リンクはバイナリが大きくなる
•動的リンクはかにオーバヘッド
•拡張の更新があった場合
静的リンクは全コンパイル
動的リンクはライブラリのみ差替可能

動的リンクの方が柔軟性が高い


mysql / PDO_MySQL

•MySQLに接続する機能
•PHP5.3以前は要MySQL
$ conﬁgure --with-mysql --with-pdo-mysql
$ make
# make install

最近はビルドが簡単に


GD

•PHPから画像の処理を行う拡張
•リサイズや変換などに使われる
$ conﬁgure --enable-gd
$ make
# make install

余裕余裕


png.h

libpng-devel が必要


入りました
# yum install libpng-devel
$ conﬁgure --enable-gd
$ make
# make install


全部まとめると
$ ./conﬁgure --enable-mbstring=shared
--with-mysql=shared
--with-pdo-mysql=shared
--with-gd=shared

はコマンドラインで改行し
たい時に使う

./conﬁgureオプションが長くなるの
が世の常

オプションは残る

自分のPHPがどのようなオプ
ションでコンパイルされたか


php.ini

•PHPの挙動を決める重要な設定
•拡張モジュールの読み込み
•トラブルシュートに欠かせない
•設定の構成や配置はインストール次第

「php.iniを確認してください」


php.iniの場所

•--with-config-file-path
通常は/usr/local/lib/php.ini
•--with-config-file-scan-dir
複数に分割して読み込む
•pnpinfo()からも確認できる
己のphp.iniを探す


php.iniの中身


php.iniの書き方

•設定名=値
•;(セミコロン)以降はコメント
•ログの出力、表示設定、文字コード、
タイムゾーン、拡張モジュールなどさま
ざまな設定項目

不適切なphp.iniは危険


特に重要な項目

•display_errors
•date.timezone
•upload_max_ﬁlesize
•allow_url_fopen
•extension
•memory_limit
運用に応じて様々な設定

練習: 実用的なビルド
$ ./conﬁgure --enable-mbstring=shared
--with-mysql=shared
--with-pdo-mysql=shared
--with-gd=shared

•make
•make install
•php.ini-developmentをコピー


最適化への道

PHPをバリバリ使う

•Apache連携
•APC
•nginx

実際にサービスを安定稼働させる為に
必要な要素


mod_php
•ApacheからPHPを動作させる
•PHPのソースとApacheが必要
# yum install httpd httpd-devel
$ conﬁgure --with-apxs2
$ make
# make install

出来上がったmod_phpはapacheから
有効にする

httpd.conf
•Apacheの設定ファイルに下記を追記

LoadModule php5_module /usr/lib64/httpd/
modules/libphp5.so
<FilesMatch .php$>
SetHandler application/x-httpd-php
</FilesMatch>

Apacheを再起動すれば...


動いた


APC

•PHPスクリプトの解析結果を保存
•解析抜きでZendEngineが稼働
•WordPressなら4倍くらい速く
•スクリプトが多い複雑なコードに効く
•Key-Value Storeとしても使える
# pecl install apc


http://vipinkrsahu.blogspot.jp/2010/06/apc-vs-memcache-
in-joomla-and-magento.html

php-fpm
•スーパー高速なnginxで稼働させる
•実はPHPにはほとんど効果がない
•SAPIの一種
$ conﬁgure --enable-fpm
$ make
# make install

nginxは画像やCSSに効く


SAPI
CLI Apache2 php-fpm などが
ある

PHPが外部から呼ばれる窓口


apache + mod_php
apache 公開ディレクトリ

mod_php

PHPが不要な時もphpのバ
イナリ込みのapacheが動作

nginx + php-fpm
nginx

php-fpm
.php

PHPに専念

ファイルを探して返すのみ

nginxの導入

[nginx]
name=nginx repo
baseurl=http://nginx.org/packages/centos/6/x86_64/
gpgcheck=0
enabled=1

# yum install nginx

/etc/yum.repos.d/nginx.repo に追加


/etc/nginx/conf.d/default.conf
location ~ .php$ {
root html;
fastcgi_pass 127.0.0.1:9000;
fastcgi_index index.php;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME /scripts$fastcgi_script_name;
include fastcgi_params;
}

# cp -f /usr/local/etc/php-fpm.conf.default /usr/local/
etc/php-fpm.conf
# cp -f sapi/fpm/init.d.php-fpm /etc/init.d/php-fpm
# chmod 755 /etc/init.d/php-fpm
# mkdir /var/log/php-fpm
# chown -R nginx:nginx /var/log/php-fpm


色々設定

• /etc/nginx/conf.d/default.conf
•fastcgiparam
•/usr/local/etc/php-fpm.conf
•pid user group
# service nginx start
# service php-fpm start


練習: WordPressを導入
•yum install mysql-server
•service mysqld start
•/usr/share/nginx/html の下が公開
•/etc/nginx/conf.d/default.conf の
index に index.php を足す


まとめ

ビルドは基本

•全てのものはビルドが必要
•yumなどは便利なので使うべき
•yumで不足がある場合は？
自分でソースからビルドする
拡張だけビルドして入れ替える

PHPに限った話ではない知識


PHPの構築

•最低でも5.3.x or 5.4.x
•新しいものは早い
•APCも絶対入れるべき
•nginxは状況次第


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