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実 施 体 制 実 施 内 容
ガイドライン
作成委員会
・ガイドラインパネル編成、プロセス確立
・ガイドラインスコープ:患者・臨床医の疑問収集
・計画書作成( 1: 疑問の定式化、 2: アウトカム選択、 3: アウト
カムの相対的な重要性の判定、 4: 疾患定義・適格基準等)
システマティッ
クレビュー
( SR )
作成担当者
(プロファイル
等の作成は、作
成委員会が行う
場合もある)
SR 作成
・網羅的な検索 ・適格基準での論文選択
・アウトカム毎にデータ収集
・アウトカム毎に個々の研究及び研究全般
のバイアスのリスクを評価
・メタ分析を実施
アウトカム毎
にエビデンス
の確実性を評
価
・研究デザイン: RCT か観察研究
・グレードダウン5要因
・グレードアップ3要因
・アウトカム毎に、エビデンスの確実性
を評価
・エビデンスプロファイルと Summary of Finding 表作成
・医療資源(コスト等)に関する資料作成
5. 実 施 体 制 実 施 内 容
ガイドライン
作成委員会
・ガイドラインパネル編成、プロセス確立
・ガイドラインスコープ:患者・臨床医の疑問収集
・計画書作成( 1: 疑問の定式化、 2: アウトカム選択、 3: アウト
カムの相対的な重要性の判定、 4: 疾患定義・適格基準等)
システマティッ
クレビュー
( SR )
作成担当者
(プロファイル
等の作成は、作
成委員会が行う
場合もある)
SR 作成
・網羅的な検索 ・適格基準での論文選択
・アウトカム毎にデータ収集
・アウトカム毎に個々の研究及び研究全般
のバイアスのリスクを評価
・メタ分析を実施
アウトカム毎
にエビデンス
の確実性を評
価
・研究デザイン: RCT か観察研究
・グレードダウン5要因
・グレードアップ3要因
・アウトカム毎に、エビデンスの確実性
を評価
・エビデンスプロファイルと Summary of Finding 表作成
4 発表担当箇所(黄色)
6. Clinical
Question(CQ)
P I C
O
重大
重要
重要でない
9
8
7
6
5
4
3
2
1
アウトカムの重要性判
定
アウトカムごと
に SR 作成
Risk of bias summary
Risk of bias graph
Forest Plot
アウトカム毎のエビデンスの確実性
評価
Evidence Profile Summary of Findings Table
アウトカム全般のエビデンスの確実性
評価
high / modearate / low / very low
Evidence-to-Decision テーブルの作成
推奨の作成
推奨度と推奨文の作成
CPG の完
成
【 CPG 作成の流
れ】
相原守夫 . GRADE アプローチの概
要改変
444
5
10. Clinical
Question(CQ)
P I C
O
重大
重要
重要でない
9
8
7
6
5
4
3
2
1
アウトカムの重要性判
定
アウトカムごと
に SR 作成
Risk of bias summary
Risk of bias graph
Forest Plot
アウトカム毎のエビデンスの確実性評価
Evidence Profile Summary of Findings Table
アウトカム全般のエビデンスの確実性評価
high / modearate / low / very low
Evidence-to-Decision テーブルの作成
推奨の作成
推奨度と推奨文の作成
CPG の完成
【 CPG 作成の流れ
】
相原守夫 . GRADE アプローチの概
要改変
9
11. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー 10
実 施 体 制 実 施 内 容
ガイドライン
作成委員会
・ガイドラインパネル編成、プロセス確立
・ガイドラインスコープ:患者・臨床医の疑問収集
・計画書作成( 1: 疑問の定式化、 2: アウトカム選択、 3: アウト
カムの相対的な重要性の判定、 4: 疾患定義・適格基準等)
システマティッ
クレビュー
( SR )
作成担当者
(プロファイル
等の作成は、作
成委員会が行う
場合もある)
SR 作成
・網羅的な検索 ・適格基準での論文選択
・アウトカム毎にデータ収集
・アウトカム毎に個々の研究及び研究全般
のバイアスのリスクを評価
・メタ分析を実施
アウトカム毎
にエビデンス
の確実性を評
価
・研究デザイン: RCT か観察研究
・グレードダウン5要因
・グレードアップ3要因
・アウトカム毎に、エビデンスの確実性
を評価
・エビデンスプロファイルと Summary of Finding 表作成
・医療資源(コスト等)に関する資料作成
13. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
システマティックレビュー
15
■ 疑問を定義する
PICO (適格基準の明確化)
■ 文献検索を行う
研究論文等の収集
■ 組み入れ基準と除外基準を適用する
最終的なレビュー採用文献を決定
(タイトル/アブスト→全文)
■ データの抽出を行う
レビュー必要な情報を抽出
■ 解析を行う
メタアナリシス、異質性の検定など
アウトカム毎に実施
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 39 頁を改変
15. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
アウトカム毎に解析(効果量等)
17
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
著者
アウトカム1 アウトカム3
全死亡率 大出血
1 Agnelli 2009 ✔ ✔
2 Altinbas 2004 ✔ ✔
3 Kakkar 2004 ✔ ✔
4 Klerk 2005 ✔ ✔
5 Lebeau 1994 ✔ ✔
6 Pelzer 2009 ✔ ✔
7 Perry 2010 ✔ ✔
8 Sideras 2006 ✔ ✔
9 Weber 2008 ✔ ✔
16. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
アウトカム毎に解析(出版バイアス等)
18
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
著者
アウトカム1 アウトカム3
全死亡率 大出血
1 Agnelli 2009 ✔ ✔
2 Altinbas 2004 ✔ ✔
3 Kakkar 2004 ✔ ✔
4 Klerk 2005 ✔ ✔
5 Lebeau 1994 ✔ ✔
6 Pelzer 2009 ✔ ✔
7 Perry 2010 ✔ ✔
8 Sideras 2006 ✔ ✔
9 Weber 2008 ✔ ✔
17. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
アウトカム毎にデータの収集( risk of bias )
19
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
著者
アウトカム1 アウトカム2 アウトカム3 アウトカム4 アウトカム5 アウトカム6
全死亡率 症候性 VTE 大出血 小出血 QOL 血小板減少
18. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
risk of bias ( RCT の場合)について
20
Risk of bias 説明 Low risk of bias の例
乱数生成( Random sequence
generation )
割付が適切に乱数を用いて行われて
いるか?
コンピュータを用いた乱
数生成
割付の隠蔽 (Allocation
concealment )
患者を組み入れる者が、どの群に属
するかを知っているか?(第三者が
割付を行っているか?)
中央登録方式の利用
盲検化( Blinding of
participants, personnel, and
outcome assessment )
患者、評価者、データ解析者が、割
付を知っているか?
盲検化されている
不完全なアウトカムデータ
(incomplete outcome data)
不完全なアウトカムデータに適切に
対処しているか?
欠測値がない
適切な欠測値処理
選択的なアウトカムの報告
(selective reporting)
事前に設定されたアウトカムが報告
されているか?
研究プロトコルと報告内
容が一致
その他のバイアス
(other bias)
早期に試験を中止、クロスオーバー
試験における持ち越し効果、妥当性
のないアウトカムの使用
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 43 頁を改変
Risk of bias の詳細は、市倉加奈子様の資料に掲載( http://researchmap.jp/index.php?
action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=33805&metadata_id=49144 )
42. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
アウトカム毎にデータの収集( risk of bias )
44
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
著者
アウトカム1 アウトカム2 アウトカム3 アウトカム4 アウトカム5 アウトカム6
全死亡率 症候性 VTE 大出血 小出血 QOL 血小板減少
43. Clinical
Question(CQ)
P I C
O
重大
重要
重要でない
9
8
7
6
5
4
3
2
1
アウトカムの重要性判
定
アウトカムごと
に SR 作成
Risk of bias summary
Risk of bias graph
Forest Plot
アウトカム毎のエビデンスの確実性評価
Evidence Profile Summary of Findings Table
アウトカム全般のエビデンスの確実性評価
high / modearate / low / very low
Evidence-to-Decision テーブルの作成
推奨の作成
推奨度と推奨文の作成
CPG の完成
【 CPG 作成の流れ
】
相原守夫 . GRADE アプローチの概
要改変
45
44. 2. アウトカム毎にシステマティックレビュー
先行研究に関する SR について
46
■ 既に同じ臨床疑問に関する、
システマティックレビューがある場合は?
当該の SR が適切に作成され、報告されているかを
PRISMA チェックリスト等を用いて、評価し、活用
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 39 頁を改変
45. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価 47
実 施 体 制 実 施 内 容
ガイドライン
作成委員会
・ガイドラインパネル編成、プロセス確立
・ガイドラインスコープ:患者・臨床医の疑問収集
・計画書作成( 1: 疑問の定式化、 2: アウトカム選択、 3: アウト
カムの相対的な重要性の判定、 4: 疾患定義・適格基準等)
システマティッ
クレビュー
( SR )
作成担当者
(プロファイル
等の作成は、作
成委員会が行う
場合もある)
SR 作成
・網羅的な検索 ・適格基準での論文選択
・アウトカム毎にデータ収集
・アウトカム毎に個々の研究及び研究全般
のバイアスのリスクを評価
・メタ分析を実施
アウトカム毎
にエビデンス
の確実性を評
価
・研究デザイン: RCT か観察研究
・グレードダウン5要因
・グレードアップ3要因
・アウトカム毎に、エビデンスの確実性
を評価
・エビデンスプロファイルと Summary of Finding 表作成
・医療資源(コスト等)に関する資料作成
47. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
エビデンスの等級について
49
エビデンスの
確実性
新しい定義 従来の定義
高
( High )
真の効果が効果推定値に近い
ことに大きな確信がある。
今後の研究によって効果推定
値に対する確信性が変わる可
能性は低い。
中
( Moderate )
真の効果が効果推定値に近い
と考えられるが、大きく異な
る可能性も否めない。
効果推定値に対する確信性に
重要な影響が及ぶ可能性が高
く、推定値が変わる可能性。
低
( Low )
真の効果は効果推定値とは大
きく異なるかもしれない。
効果推定値に対する確信性に
重要な影響が及ぶ可能性が非
常に高く、推定値が変わる可
能性。
非常に低
( Very low )
真の効果は、効果推定値とは
大きく異なるものと考えられ
る。
あらゆる効果推定値が不確実
である。
48. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
エビデンスの等級付けのための GRADE アプローチ
50
RCT
観察研究
RCT(5 要因 )
GRADE down
観察研究 (3 要
因 )
GRADE up
バイアスのリスク
非一貫性
非直接性
不精確さ
出版バイア
ス
効果の大きさ
用量反応勾配
交絡因子
G.H. Guyatt et al. / Journal of Clinical Epidemiology 64 (2011) 383-94
増澤様のスライド拝借
49. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 研究の限界( risk of bias )
■ 結果の非一貫性( inconsistency )
■ エビデンスの非直接性( indirectness )
■ データの不精確さ( imprecision )
■ 出版バイアス( publication bias )
グレードダウンに関する5つの要因
51
ダウン
アップ
50. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 研究に重大な限界がある場合、効果推定値と
その後の推奨における確実性は低くなる
→深刻な限界があると、グレードは下げられる。
■ SR の対象となったそれぞれの研究の risk of bias
を評価し、研究の限界についてグレードの判定
グレードダウン:研究の限界
52
GRADE guide 4: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 407-415.
割付の順番
割付の隠蔽
盲検化
不完全なアウトカム
アウトカム報告バイアス
その他のバイアス
52. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
グレードダウン:研究の限界
54
R o B 研究全般 解釈 考察 グレード評価
低
( Low
)
ほとんどの情報が
low risk of bias から
得られている
深刻に結果を変
える可能性はな
い
明確な限界なし 深刻な限界なし
下げない
不明
( Uncle
ar )
ほとんどの情報が
unclear risk of bias
から得られている
結果に疑念を持
たせる
* を下げる可能
性が低い。
深刻な限界なし
下げない
* を下げる可能
性がある。
深刻な限界あり
1 段階下げる。
高
( High
)
High risk of bias か
らの情報の割合は
、結果解釈に影響
を与えるには十分
である
考えられるバイ
アスは結果の確
信を大きく弱め
る
1 つの基準に重
大な限界、多数
の基準に何らか
の限界があり、
* を下げるには
十分。
深刻な限界あり
1 段階下げる。
1 つ以上の基準
に重大な限界が
あり、 * を大幅
に低くする。
非常に深刻な限
界あり
2 段階下げる。
* 効果推定値の確信性
53. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
グレードダウン:研究の限界(事例)
55
■ 癌患者に対する非経口抗凝固薬に関する SR
■ アウトカムは、死亡率
■ 8件の RCT が組み込まれ、(アウトカム測定の)
盲検化は実施されていなかった。また、 1 件では
割付の隠蔽が明確ではない。全体的な限界は深刻で
はないことから、 RoB を理由としたグレードダウン
は行われなかった。
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 63 頁
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
54. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
グレードダウン:研究の限界(事例)
56
■ 癌患者に対する非経口抗凝固薬に関する SR
■ アウトカムは、 QOL
■ RCT は1件のみであり、盲検化の欠如、 ITT 解析の
の実施が不明。なお患者数は 138 名であった。
限界は非常に深刻であり、2グレードダウン。
Riskofbiassummary
Study-1
(s toppe d e arly for be ne fit, e tc )その他のバイアス
(random s e que nc e ge ne ration)割付の順序
(alloc ation c onc e alme nt)割付の隠蔽
(inc omple te outc ome data)不完全なアウトカム
(s e le c tive re porting)選択的な報告
(blinding of partic ipants and pe rs onne l )参加者と研究者の盲検化
(blinding of data analys t)アウトカム評価者の盲検化
http://aihara.la.coocan.jp/archives/2012/07/12/
56. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 結果に関する説明のつかない
異質性( heterogeneity )を指す。
■ 介入効果が各研究で異なる場合に考えられる要因
1)集団(例:重症の集団で効果が高い)
2)介入(例:比較介入が異なる)
3)アウトカム(例:追跡期間が長いほど、効果が減少)
4)研究方法( LRoB と HRoB の RCT 間で効果が異なる)
が影響を及ぼしている可能性。
⇒1)~3) 原因となりうる要因について
サブグループ解析
⇒4) LRoB の研究のみによる効果推定値を算出
グレードダウン:結果の非一貫性
58
GRADE guide 7: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1294-1302.
57. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 非一貫性のグレードダウンの判定を行う際の
4基準
① 点推定値が研究間で異なり、その差異が大きい。
②各信頼区間の重なりがほとんど、または全くない。
③異質性検定において、 p<.05 で帰無仮説を棄却可。
④I 2
値(点推定値のバラつきの割合)が大きい。
グレードダウン:結果の非一貫性
59
GRADE guide 7: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1294-1302.
Higgins & Green (2008) Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Intervention.
30 – 60%:
中程度の異質性
50 – 90%:
かなりの異質性
75 – 100%:
無視できない異質性
58. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 癌患者に対する非経口抗凝固薬に関する SR
■ アウトカムは、死亡率
■ 死亡率に関して、研究間には点推定値のばらつきが
があり、中等度の異質性( I2
= 35% )がある。
グレードダウン:結果の非一貫性(事例)
60
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 68 頁
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
59. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ サブグループ解析において、小細胞肺がんでは
RR = 0.85 、その他の進行がんでは RR = 0.97 で、
両者の間には有意差はなかった。
■ 上記から、 1 グレードダウンとした。
グレードダウン:結果の非一貫性(事例)
61
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 69 頁
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
60. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 適用可能性( applicability )と同義であり、
以下の4つの非直接性の原因がある。
1)対象集団の差異
(例: CQ は●歳未満だが、研究論文は制限を設けていない)
2)介入の差異(例:薬剤の用量、用法の違い)
3)アウトカム指標の差異(例:代理アウトカムが使用)
4)間接比較
⇒ 代理アウトカムの使用は、 1 段階以上のダウン
⇒ 間接比較の場合、 1 段階以上のダウン
グレードダウン:エビデンスの非直接性
62
GRADE guide 8: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1303-1310.
61. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 対象集団の差異
鳥インフルエンザに関するガイドラインパネル
質の高い RCT によって、季節性インフルエンザに
対する抗ウィルス療法の有効性が示されている。
季節性インフルエンザの生物学的特徴は、鳥
インフルエンザとは大きく異なることから(鳥
インフルエンザの病原体は季節性と比較して抗
ウィルス剤への反応が著しく悪い)、2グレード
ダウンと判断した。
エビデンスの非直接性(事例)
63
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 70 頁
63. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価 65
GRADE guide 8: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1303-1310.
状態 重要なアウトカム 代理アウトカム
糖尿病 糖尿病関連症状、入院、合併症 血統、 A1C
高血圧 心血管死、心筋梗塞、脳卒中 血圧
認知症 患者の機能、行動、介護負担 認知機能検査
骨粗鬆症 骨折 骨密度
ARDS 死亡率 酸素分圧
末期の腎不
全
QOL 、罹患率、死亡率 ヘモグロビン
静脈血栓症 症候性静脈血栓症 無症候性静脈血栓症
慢性呼吸器
系疾患
QOL 、症状の憎悪、死亡率 肺機能、運動能力
心血管疾患 心筋梗塞、死亡率 冠動脈石灰化、カルシウム代謝
エビデンスの非直接性(アウトカム指標の差異)
64. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 間接比較とネットワークメタアナリシス
A vs B の直接比較は無いが、 A vs C 、 B vs C は
実施されている。
エビデンスの非直接性(事例)
66
土井他 (2016). 臨床心理学, 16, 207 - 218.
相原 (2015). 診療ガイドラインのための GRADE システム-第 2 版- 73 頁
No study treat1 treat2 TE seTE
1 Dimidgian et al. (2006a) Control Behavioral Activation -0.95 2.01
2 Dimidgian et al. (2006a) Control Behavioral Activation -1.28 1.75
3 Dimidgian et al. (2006a) Control Behavioral Activation 3.91 1.97
4 Dimidgian et al. (2006b) Control Behavioral Activation 5.73 2.55
5 Dimidgian et al. (2006b) Control Behavioral Activation 0.38 1.49
6 Dimidgian et al. (2006b) Control Behavioral Activation 11.14 2.24
7 Wagner et al. (2007) Control Behavioral Activation with value 9 11.6
8 Papa et al. (2013) Control Behavioral Activation 8.6 4.17
9 O'Mahen et al. (2013) Control Behavioral Activation 3.34 0.71
10 Hopko et al. (2003) Control Behavioral Activation 11.1 6.36
11 Snarski et al. (2011) Control Behavioral Activation with value 0.36 1.09
12 Moore et al. (2013) Control Behavioral Activation with value 1.82 0.13
13 Gawrysiak et al. (2009) Control Behavioral Activation with value 6.6 1.42
14 Reynolds et al. (2011) Control Behavioral Activation with value -2.49 1.91
15 Armento et al. (2012) Control Behavioral Activation with value 2.8 2.36
16 Hopko et al. (2011, 2013) Control Behavioral Activation with value -0.4 0.99
17 Ekers et al. (2011) Control Behavioral Activation 15.47 4.32
18 Chen et al. (2013) Control Behavioral Activation with value 8.91 0.64
19 Ly et al. (2014) Control Behavioral Activation 2.05 1.86
66. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ GRADE では、バイアス(系統誤差)を RoB で、
ランダム誤差をデータの不正確さ、として評価。
■ 信頼区間と最適情報量を基に、不精確さを判断。
以下の基準で評価。
1)信頼区間の上限と下限が、臨床決断の閾値
をまたぐかどうか。
2)最適情報量( optimal information size )
の基準が満たされているか
3)イベント発生率が非常に低くても、
サンプルサイズが非常に大きいか
⇒ いずれの基準も満たされていない場合、ダウン
グレードダウン:データの不精確さ
68
GRADE guide 6: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1283-1293.
67. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 臨床決断の閾値
抗凝固薬のリスクは、対照群より4%低い。
→ 100÷4=25 から、 1 名多くの事象発生させるには、
25 名を治療する必要がある。 ( 有害事象発生も含
■ 閾値として、治療推奨を提示できる値を -0.10 と
するか、 -0.01 とするかを決め、判断。
グレードダウン:データの不精確さ
69
Akl et al. (2011) Cochrane Databases Syst Rev. doi: 10.1002/14651858.CD006652.pub2.
68. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 最適情報量
・ SR に組み込まれた患者総数が、単一の試験のサ
ンプルサイズ計算によって算出された患者数よりも
少ない場合、グレードダウンを検討。
・ OIS 算出には、 α エラー( 0.05 )、 β エラー
( 0.10 – 0.20 )、現実的な効果の大きさ、対照群で
のイベント発生率(中央値 :0.64 など)を設定。
グレードダウン:データの不精確さ
70
GRADE guide 6: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1283-1293.
69. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
1. 小規模研究によってより大きな効果が示されていないか
a ファンネルプロットの目視評価
b ファンネルプロットの統計学的解析
2. 想定される出版バイアスを復元する
a Trim and Fill 法
b. フェイルセーフ数の検討
3. 統計学的有意水準に応じた、出版の確立を推定
4. 累積メタアナリシスによって、継時的・研究数による効果
サイズの変化を調べる
■ 研究が偏って出版されることが原因で、本来の効果
が系統的に、過小、または課題に評価される。
グレードダウン:出版バイアス
71
GRADE guide 5: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1277-1282.
71. 3. アウトカム毎にエビデンスの確実性を評価
■ 効果の程度が大きい( large magnitude of effect )
■ 用量反応関係( dose-response gradient )
■ 交絡因子のための過小評価( plausible confunders )
※ RCT ではエビデンスの確実性は「高」からスタート
なんらかの理由でグレードダウンとなった、確実性
が効果が大きいからといって、アップすることはない
→観察研究においてのみ、該当
グレードアップに関する3つの要因
73
GRADE guide 9: Guyatt et al. (2011). J of Clin Epi, 64, 1311-1316.
72. Clinical
Question(CQ)
P I C
O
重大
重要
重要でない
9
8
7
6
5
4
3
2
1
アウトカムの重要性判
定
アウトカムごと
に SR 作成
Risk of bias summary
Risk of bias graph
Forest Plot
アウトカム毎のエビデンスの確実性評価
Evidence Profile Summary of Findings Table
アウトカム全般のエビデンスの確実性評価
high / modearate / low / very low
Evidence-to-Decision テーブルの作成
推奨の作成
推奨度と推奨文の作成
CPG の完成
【 CPG 作成の流れ
】
相原守夫 . GRADE アプローチの概
要改変
74
80. Take home messages
■ アウトカム毎にエビデンスをまとめる
・アウトカム毎にシステマティックレビュー
(含メタアナリシス)
・アウトカム毎にエビデンスの確実性の評価
・エビデンスプロファイル作成
※ RevMan ・ GRADE pro の使い方
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Editor's Notes GRADEを利用した新利用ガイドライン作成の流れを確認
GRADEを利用したイドライン作成の流れの中での、担当箇所を確認
心肺停止の蘇生救急
退院まで生存
推奨については、奥村先生
実際のガイドラインの説明は笹井先生
GRADEを利用したイドライン作成の流れの中での、担当箇所を確認
・どういう対象に対するどういう治療法に関する効果を調べるか
・検索ワードの決定から→データベース検索、引用文献、ハンドサーチなどを用いた徹底的な検索
・採用文献の決定は、アブスト&タイトルのチェック⇒全文チェック(最低2名が独立して実施)
・データの抽出
研究情報(参加者、介入の詳細)、結果(数値等)、risk of bias
・採用された論文について、データ抽出をしてみると、アウトカム毎に見た場合、全死亡率は9件、QOLについては、1件報告されている。
・
・
これを繰り返す
Nextで、計算方法とか固定効果かランダム効果かとか、を選択することができる
・アウトカムごとに対象となる研究数は異なる
・body of evidenceの確実性はアウトカムによって異なる
精確…精密で正確
正確…正しくて確実
コクランrisk of biasの表を挿入
これは死亡率がアウトカムであるからこそ盲検化は必要ないか…
これが主観指標であった場合が次のスライド
①質の高い研究に注目することとし、各研究がエビデンスの質にどう影響しているかで、検討。
②イベント数の多い大規模試験が寄与度が大きい
④質に関わる2つの問題(risk of biasとimpresion)について、難しい判断を迫られるときには、少なくとも そのいずれか1つの問題についてグレードダウンを行う。
⑤なぜこのような判断の難しい状況になっているのかについて、説明
→④⑤は、透明性に関わる部分か…
統計指標としてτ二乗値は、研究数やサンプルサイズの影響を受けないとされているが、あまり使用されてきていない。
グレード評価の理由を明確にするために、異質性の原因を探す。今回は対象者によって、差異は無い。
→有意差があれば、グレード評価の理由として、対象者が異なれば、結果が異なることを明記することも必要。
シンバスタチン 血液中のコレステロールを低下させる
・信頼区間の脆弱性に対処するために、第2の基準として使用
二値と連続アウトカムとでの判断基準の違い
例示追加
50名治療すると1名死亡するという意味も含む…
死亡率減少をどこまで求めるか(閾値を設定する)ための説得力のある根拠が必要。
結果がポジティブな研究はネガティブな物よりも3倍多く発表されていると言われている。