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ImageJ によるバイオ画像解析
チュートリアル
2014/6/20
(ver.1.0)
0
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目次
1. イントロダクション
2. デジタル画像の基本
3. カラー画像の基礎と画像合成
4. 形の解析: 二値化,粒子解析,繊維解析
5. 動きの解析
補遺: ImageJ の主なメニュー項目の紹介
1
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1. イントロダクション
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ImageJ の基本画面
← メニューバー
← ツールバー
← ステータスバー
← 画像ウインドウ
http://rsb.info.nih.gov/ij/docs/tools.html
ツールバー
赤い三角形の付く
アイコンは右クリック
で機能切り替え可.
赤い線: 頻用するもの.
青い線: selection (ROI).
← 画像タイトル
画像情報(サイズ等)
タバコBY-2 液胞膜
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メニュー操作に関して:
File - Open… File から Open… を選択する.
ショートカット操作に関して:
t Windows : t キー.
Mac : コマンド + t キー.
Shift + c Windows : Shift を押しながら c キー.
Mac : コマンド と Shift を押しながら c キー.
※コマンド一覧は Plugins - Shortcuts - Control Panel… でツリー形式,
Plugins - Shortcuts - Create Shortcut の Command 欄でプルダウン形式で確認できる.
※メニューの一部は ij.jar 内の IJ_Props.txt を編集することでカスタマイズ可能.
JARはZIP形式として展開できる.
メニューを完全に変更したい場合は ImageJ.java をいじる.
※ ショートカットの一覧表示や追加は Plugins - Shortcuts メニューから可能.
一部のショートカットはソース中に埋め込まれている ( t とか < とか) .
ImageJ の基本画面
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2. デジタル画像の基本
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←画像情報: 159x153 pixels; 8-bit; 24K
画素と画素数
(3200%) : 拡大・縮小率
画像ウインドウ左上に青い枠が表示されている場合,
ウインドウに画像全域が収まっていない.
現在表示されている部位が,画像全域のどこに相当する
かを示している.
159
153
画素, pixel (picture element)
+ キーで拡大
- キーで縮小
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座標系と画素と輝度
←画像情報: 159x153 pixels; 8-bit; 24K
y
x
(x,y) = (0, 0)
輝度 35
(3, 0)
輝度30
(3, 2)
輝度 21
ImageJ では左上を原点(0, 0)とし,右に X 軸,下にY軸が伸びる.
各画素には輝度 (強度,intensity.明度 brightness とも言う)
が割り当てられている.
※ 「0 から数えること」「左上が原点であること」 に注意.
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座標系と画素と輝度
y
(x,y) = (0, 0)
輝度 35
(3, 0)
輝度30
(3, 2)
輝度 21
x
Excel で開いた例
表示を縮小
159列
159
153
153行
File - Save As - Text Image…
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PowerPoint 等での強拡大に注意
PowerPoint や Photoshop 等で補間を
ともなう"強拡大"をするとデジタル的
な解像度や分解能と関係なく擬似的
にズームしたようになるが,解像度や
分解能が上がる訳ではない.
データ解釈を誤らないよう注意.
PowerPoint
で拡大
補間なし
補間あり
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Brightness & Contrast による表示状態の変更 ( Shift + c キー)
スライドバーを動かすことによる調整は,表示上の"明るさ"を
変えているに過ぎない.→ 輝度は変化しない.
8-bit 画像の場合は Apply ボタンを押すことによって,その時の
表示範囲が0~255にスケールされる.→ 輝度が変化する.
真っ白
真っ黒
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輝度ヒストグラム ( h キー )
h
位置情報を無視した上で,全画素について
輝度の分布を可視化したもの.
輝度の基本的な統計量(最小,最大,平均,
標準偏差等)も表示されている.
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輝度のタイプ
(0, 0)
輝度 35
(3, 0)
輝度30
(3, 2)
輝度 21
8-bit: 0~255 の整数(integer)
16-bit: 0~65535 の整数(integer)
32-bit: 浮動小数点数(float)
実数の近似値.±3.4*1038 の
範囲で7桁位の精度.
グレイスケール画像, 濃淡画像
輝度のデータ型.
ビット深度(bit depth), bits per pixel,
量子化ビット数等とも呼称.
カラー画像
≠白黒画像
8-bit Color: 使わない.
RGB Color: 赤緑青の3チャネルを
重ねることによるカラー表現.
各チャネルのデータ型は8-bit,
16-bit, 32-bit のいずれかで,
チャネル間では統一されている.
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輝度のビット深度
8-bit: 0~255 の整数(integer)
16-bit: 0~65535 の整数(integer)
32-bit: 浮動小数点数(float)
実数の近似値.±3.4*1038 の
範囲で7桁位の精度.
グレイスケール画像, 濃淡画像
≠白黒画像
原画像のビット深度はカメラによって異なり,8~16 bits/pixel が主.
12 bits/pixel (212 , 0~4095) や 14 bits/pixel (214 , 0~16383)の
カメラで得た画像は 16 bits/pixel の画像フォーマットとして扱う
(大は小を兼ねる).
輝度には必ずノイズが混じるので,深度が大きい方が一概に
高性能というわけではない.
画像処理的には内部で 32-bit (float) を用いることも多い
(小数やマイナスの値が扱えるので) .
輝度
位置(pixel)8 bits/pixel
28 =256 段階
0
255
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画像情報の修正 (ビット深度, スケール情報)
ビット深度: Image - Type - …
スケール情報: Analyze - Set Scale…
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3.カラー画像の基礎と画像合成
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輝度 (5, 70, 134)
輝度 (179, 39, 4)
カラー画像 (RGB画像の場合) は
Red, Green, Blueの輝度のバラン
スにより色が表現される.
輝度 (111, 111, 13)
Red Green Blue
Image – Color – Split channels
カラー画像の基礎
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画像合成
Image – Color – Merge channels…
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画像合成の注意点
伝わるデザイン
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html
細胞工学 色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション
http://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree3-4.html
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画像合成の注意点
画像合成は
MagentaとGreenの
使用が推奨されることが
多い.
MagentaとGreen
は
グレースケールで
示しても良い
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4.形の解析: 二値化,粒子解析,繊維解析
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手作業でのROI設定を介した形状解析: 長さ
線分や曲線をマウスで引き t キーで ROI Manager に登録, を繰返す.
ROI Manager の「Show All」をチェックしておくと見やすい.
Measure ボタンで登録済の ROI 全部をまとめて測定.
角度や長さ(画素単位)が得られる. Excel等でμmに変換し,統計処理.
Excel 等にペースト or
テキストファイルに保存して
R スクリプトで統計処理 等.
t
ROI: region of interest,関心領域,注目領域
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手作業でのROI設定を介した形状解析: 面積
or
測定項目は Analyze - Set Measurements... で決定.
「測定対象領域をマウスで指定し,
t キーで ROI Manager に登録」を繰返す.
Measure ボタンで測定.
t
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二値化による領域抽出 ( Shift + t キー)
or
蛍光像の場合,「高い輝度の領域」が「測定対象領域」の
場合が多い.閾値となる輝度を決め,二値画像(白黒画像)
に変換することで,領域抽出(領域分割, segment)ができる.
ではどのように閾値を決めればいいのか?
グレイスケール画像
(濃淡画像)
二値画像
(白黒画像)
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人間の目視による閾値決定
作業者の感覚が頼り.
同じ人が作業しても,
閾値が同じになるとは
限らない(部屋やモニタ
の明るさの影響など).
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Threshold ウインドウでは,
人間による閾値決定だけでなく
自動閾値決定もできる.
右図のように,
複数のアルゴリズムから選択する.
いずれも輝度ヒストグラムをもとに
「ある明るさ」を閾値として
背景と背景(解析対象)を分ける.
画像自体と解析対象に関する
輝度分布の性質によって,
適切なアルゴリズムは異なる.
自動閾値決定
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二値化を介した粒子解析の例
二値画像
グレイスケール画像
Analyze -
Analyze Particles…
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二値化を介した繊維構造の解析例
共焦点画像 バンドパスフィルタ
による繊維等の強調
二値化像 細線化像
短径 / 長径
短径
長径
気孔開閉の指標
気孔に対する
アクチン繊維の角度
アクチン繊維の配向の指標
気孔
q
気孔
q
気孔
この場合,
短径 / 長径=0.47
この場合,
アクチン繊維の角度=54.3°
灰色: 気孔領域
黒色: アクチン繊維
シロイヌナズナ気孔
アクチン繊維
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バンドパスフィルタ
Process - FFT - Bandpass Filter...
注目している物を,おおよその大きさを指定することで
強調する処理.ノイズや細胞形状の影響を抑制する.
細胞表層微小管のプラス端
輝度プロファイル(左図の黄色い線)
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5.動きの解析
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スタック画像
時系列画像(動画像,動画,XYT)
や,焦点面を変えて撮影した連続
画像(立体画像,XYZ)はともに
スタック画像として操作できるが,
ZとTの区別が無いことに注意.
スタック画像を構成する2次元画像
をスライスとかフレームと呼ぶ.
ステータスバーの z=2 は
「Z座標の値が2」を示す
(0から数えている. 0-origin) .
画像情報欄の 3/10 は
「全10枚中3枚目」を示す
(1から数えている.1-origin).
表示中のスライスを変更
再生 (速度設定: Image - Stacks - Tools - Animation Options...)
タバコ培養細胞
微小管プラス端
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動き解析のための粒子追跡
輝度投影
(疑似色)
1スライス目 10スライス目
平均速度:
(pixel/slice) T: スライス数
T-1
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補遺: ImageJ の主なメニュー項目の紹介
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File メニュー: ファイルの読み込み・書き込み等
New: 新規作成.
System Clipboard で他アプリから画像の
読み込みができる.
Open...: 画像ファイル等を開く.
Import: 各種フォーマットの
画像ファイル等を開く.
Close: 画像ウインドウを閉じる.
Save: 画像ウインドウの内容をファイルに
保存する.
※ Save しない限り,ファイルは書き
変わらない.
Quit: ImageJ を終了する.
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Edit メニュー: 画像の切り貼り,描画
Undo: 直前の作業の取消し.
1ステップ限定かつ
一部のみ対応.
Cut, Copy, Paste:
画像の切り貼り.
対象は画像全域かROI .
Copy to System:
他アプリへのコピー.
Clear, Fill, Draw: 単色描画.
実際の色は
Color Pickerで色は設定.
Selection: ROI の制御.
(Selection = ROI)
Add To Manager:
複数のROI を管理.
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Image メニュー: 種別,色,スタック,変形,複製等,色々
Type: 輝度タイプの変換.
8-bit, 16-bit, 32-bit, RGB color...
Adjust: 表示上の明るさの調整や二値化等.
Color: グレイスケール画像とカラー画像の
変換等.
Stacks: 時系列画像(動画像),立体画像の
処理.輝度投影,スライス一覧(montage)
の作成等.
Crop: ROI 部分の切り出し.
Duplicate: 画像ウインドウの複製.
Rename: 画像ウインドウのタイトル変更.
Scale: 画像解像度の変更.つまり画像サイズ
の拡大・縮小.
※表示の拡大・縮小と混同しないよう注意.
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Process メニュー: 基礎的な画像処理(フィルタ等)
Find Edges: 輪郭強調.
Binary: 2値画像(白黒画像)処理.
Math: 加減乗除等による
各画素の輝度変更.
Filters: ノイズ抑制等のフィルタ.
Image Calculator:
画像と画像の間
の演算.
加減乗除等.
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Analyze メニュー: 測定やグラフ関係
Measure: ROI 部分の諸パラメタの測定.
Analyze Particles...: 粒子解析.
Set Measurements...: 'Measure' で測定する
パラメタの選択.
Set Scale...: 1画素が何 mm かを設定する.
Histogram: 輝度ヒストグラムの表示.
Plot Profile: 輝度プロファイルの表示.
他のメニュー
Plugins: プラグイン,マクロ,ショートカット
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Window: 画像ウインドウ,ログウインドウ等
の一覧や並び換え.
Help:ブラウザにウェブ上のマニュアルを
表示する等.

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  • 2. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 目次 1. イントロダクション 2. デジタル画像の基本 3. カラー画像の基礎と画像合成 4. 形の解析: 二値化,粒子解析,繊維解析 5. 動きの解析 補遺: ImageJ の主なメニュー項目の紹介 1
  • 3. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 1. イントロダクション
  • 4. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. ImageJ の基本画面 ← メニューバー ← ツールバー ← ステータスバー ← 画像ウインドウ http://rsb.info.nih.gov/ij/docs/tools.html ツールバー 赤い三角形の付く アイコンは右クリック で機能切り替え可. 赤い線: 頻用するもの. 青い線: selection (ROI). ← 画像タイトル 画像情報(サイズ等) タバコBY-2 液胞膜
  • 5. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. メニュー操作に関して: File - Open… File から Open… を選択する. ショートカット操作に関して: t Windows : t キー. Mac : コマンド + t キー. Shift + c Windows : Shift を押しながら c キー. Mac : コマンド と Shift を押しながら c キー. ※コマンド一覧は Plugins - Shortcuts - Control Panel… でツリー形式, Plugins - Shortcuts - Create Shortcut の Command 欄でプルダウン形式で確認できる. ※メニューの一部は ij.jar 内の IJ_Props.txt を編集することでカスタマイズ可能. JARはZIP形式として展開できる. メニューを完全に変更したい場合は ImageJ.java をいじる. ※ ショートカットの一覧表示や追加は Plugins - Shortcuts メニューから可能. 一部のショートカットはソース中に埋め込まれている ( t とか < とか) . ImageJ の基本画面
  • 6. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 2. デジタル画像の基本
  • 7. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. ←画像情報: 159x153 pixels; 8-bit; 24K 画素と画素数 (3200%) : 拡大・縮小率 画像ウインドウ左上に青い枠が表示されている場合, ウインドウに画像全域が収まっていない. 現在表示されている部位が,画像全域のどこに相当する かを示している. 159 153 画素, pixel (picture element) + キーで拡大 - キーで縮小
  • 8. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 座標系と画素と輝度 ←画像情報: 159x153 pixels; 8-bit; 24K y x (x,y) = (0, 0) 輝度 35 (3, 0) 輝度30 (3, 2) 輝度 21 ImageJ では左上を原点(0, 0)とし,右に X 軸,下にY軸が伸びる. 各画素には輝度 (強度,intensity.明度 brightness とも言う) が割り当てられている. ※ 「0 から数えること」「左上が原点であること」 に注意.
  • 9. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 座標系と画素と輝度 y (x,y) = (0, 0) 輝度 35 (3, 0) 輝度30 (3, 2) 輝度 21 x Excel で開いた例 表示を縮小 159列 159 153 153行 File - Save As - Text Image…
  • 10. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. PowerPoint 等での強拡大に注意 PowerPoint や Photoshop 等で補間を ともなう"強拡大"をするとデジタル的 な解像度や分解能と関係なく擬似的 にズームしたようになるが,解像度や 分解能が上がる訳ではない. データ解釈を誤らないよう注意. PowerPoint で拡大 補間なし 補間あり
  • 11. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Brightness & Contrast による表示状態の変更 ( Shift + c キー) スライドバーを動かすことによる調整は,表示上の"明るさ"を 変えているに過ぎない.→ 輝度は変化しない. 8-bit 画像の場合は Apply ボタンを押すことによって,その時の 表示範囲が0~255にスケールされる.→ 輝度が変化する. 真っ白 真っ黒
  • 12. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 輝度ヒストグラム ( h キー ) h 位置情報を無視した上で,全画素について 輝度の分布を可視化したもの. 輝度の基本的な統計量(最小,最大,平均, 標準偏差等)も表示されている.
  • 13. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 輝度のタイプ (0, 0) 輝度 35 (3, 0) 輝度30 (3, 2) 輝度 21 8-bit: 0~255 の整数(integer) 16-bit: 0~65535 の整数(integer) 32-bit: 浮動小数点数(float) 実数の近似値.±3.4*1038 の 範囲で7桁位の精度. グレイスケール画像, 濃淡画像 輝度のデータ型. ビット深度(bit depth), bits per pixel, 量子化ビット数等とも呼称. カラー画像 ≠白黒画像 8-bit Color: 使わない. RGB Color: 赤緑青の3チャネルを 重ねることによるカラー表現. 各チャネルのデータ型は8-bit, 16-bit, 32-bit のいずれかで, チャネル間では統一されている.
  • 14. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 輝度のビット深度 8-bit: 0~255 の整数(integer) 16-bit: 0~65535 の整数(integer) 32-bit: 浮動小数点数(float) 実数の近似値.±3.4*1038 の 範囲で7桁位の精度. グレイスケール画像, 濃淡画像 ≠白黒画像 原画像のビット深度はカメラによって異なり,8~16 bits/pixel が主. 12 bits/pixel (212 , 0~4095) や 14 bits/pixel (214 , 0~16383)の カメラで得た画像は 16 bits/pixel の画像フォーマットとして扱う (大は小を兼ねる). 輝度には必ずノイズが混じるので,深度が大きい方が一概に 高性能というわけではない. 画像処理的には内部で 32-bit (float) を用いることも多い (小数やマイナスの値が扱えるので) . 輝度 位置(pixel)8 bits/pixel 28 =256 段階 0 255
  • 15. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 画像情報の修正 (ビット深度, スケール情報) ビット深度: Image - Type - … スケール情報: Analyze - Set Scale…
  • 16. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 3.カラー画像の基礎と画像合成
  • 17. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 輝度 (5, 70, 134) 輝度 (179, 39, 4) カラー画像 (RGB画像の場合) は Red, Green, Blueの輝度のバラン スにより色が表現される. 輝度 (111, 111, 13) Red Green Blue Image – Color – Split channels カラー画像の基礎
  • 18. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 画像合成 Image – Color – Merge channels…
  • 19. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 画像合成の注意点 伝わるデザイン http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html 細胞工学 色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション http://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree3-4.html
  • 20. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 画像合成の注意点 画像合成は MagentaとGreenの 使用が推奨されることが 多い. MagentaとGreen は グレースケールで 示しても良い
  • 21. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 4.形の解析: 二値化,粒子解析,繊維解析
  • 22. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 手作業でのROI設定を介した形状解析: 長さ 線分や曲線をマウスで引き t キーで ROI Manager に登録, を繰返す. ROI Manager の「Show All」をチェックしておくと見やすい. Measure ボタンで登録済の ROI 全部をまとめて測定. 角度や長さ(画素単位)が得られる. Excel等でμmに変換し,統計処理. Excel 等にペースト or テキストファイルに保存して R スクリプトで統計処理 等. t ROI: region of interest,関心領域,注目領域
  • 23. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 手作業でのROI設定を介した形状解析: 面積 or 測定項目は Analyze - Set Measurements... で決定. 「測定対象領域をマウスで指定し, t キーで ROI Manager に登録」を繰返す. Measure ボタンで測定. t
  • 24. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 二値化による領域抽出 ( Shift + t キー) or 蛍光像の場合,「高い輝度の領域」が「測定対象領域」の 場合が多い.閾値となる輝度を決め,二値画像(白黒画像) に変換することで,領域抽出(領域分割, segment)ができる. ではどのように閾値を決めればいいのか? グレイスケール画像 (濃淡画像) 二値画像 (白黒画像)
  • 25. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 人間の目視による閾値決定 作業者の感覚が頼り. 同じ人が作業しても, 閾値が同じになるとは 限らない(部屋やモニタ の明るさの影響など).
  • 26. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Threshold ウインドウでは, 人間による閾値決定だけでなく 自動閾値決定もできる. 右図のように, 複数のアルゴリズムから選択する. いずれも輝度ヒストグラムをもとに 「ある明るさ」を閾値として 背景と背景(解析対象)を分ける. 画像自体と解析対象に関する 輝度分布の性質によって, 適切なアルゴリズムは異なる. 自動閾値決定
  • 27. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 二値化を介した粒子解析の例 二値画像 グレイスケール画像 Analyze - Analyze Particles…
  • 28. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 二値化を介した繊維構造の解析例 共焦点画像 バンドパスフィルタ による繊維等の強調 二値化像 細線化像 短径 / 長径 短径 長径 気孔開閉の指標 気孔に対する アクチン繊維の角度 アクチン繊維の配向の指標 気孔 q 気孔 q 気孔 この場合, 短径 / 長径=0.47 この場合, アクチン繊維の角度=54.3° 灰色: 気孔領域 黒色: アクチン繊維 シロイヌナズナ気孔 アクチン繊維
  • 29. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. バンドパスフィルタ Process - FFT - Bandpass Filter... 注目している物を,おおよその大きさを指定することで 強調する処理.ノイズや細胞形状の影響を抑制する. 細胞表層微小管のプラス端 輝度プロファイル(左図の黄色い線)
  • 30. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 5.動きの解析
  • 31. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. スタック画像 時系列画像(動画像,動画,XYT) や,焦点面を変えて撮影した連続 画像(立体画像,XYZ)はともに スタック画像として操作できるが, ZとTの区別が無いことに注意. スタック画像を構成する2次元画像 をスライスとかフレームと呼ぶ. ステータスバーの z=2 は 「Z座標の値が2」を示す (0から数えている. 0-origin) . 画像情報欄の 3/10 は 「全10枚中3枚目」を示す (1から数えている.1-origin). 表示中のスライスを変更 再生 (速度設定: Image - Stacks - Tools - Animation Options...) タバコ培養細胞 微小管プラス端
  • 32. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 動き解析のための粒子追跡 輝度投影 (疑似色) 1スライス目 10スライス目 平均速度: (pixel/slice) T: スライス数 T-1
  • 33. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. 補遺: ImageJ の主なメニュー項目の紹介
  • 34. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. File メニュー: ファイルの読み込み・書き込み等 New: 新規作成. System Clipboard で他アプリから画像の 読み込みができる. Open...: 画像ファイル等を開く. Import: 各種フォーマットの 画像ファイル等を開く. Close: 画像ウインドウを閉じる. Save: 画像ウインドウの内容をファイルに 保存する. ※ Save しない限り,ファイルは書き 変わらない. Quit: ImageJ を終了する.
  • 35. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Edit メニュー: 画像の切り貼り,描画 Undo: 直前の作業の取消し. 1ステップ限定かつ 一部のみ対応. Cut, Copy, Paste: 画像の切り貼り. 対象は画像全域かROI . Copy to System: 他アプリへのコピー. Clear, Fill, Draw: 単色描画. 実際の色は Color Pickerで色は設定. Selection: ROI の制御. (Selection = ROI) Add To Manager: 複数のROI を管理.
  • 36. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Image メニュー: 種別,色,スタック,変形,複製等,色々 Type: 輝度タイプの変換. 8-bit, 16-bit, 32-bit, RGB color... Adjust: 表示上の明るさの調整や二値化等. Color: グレイスケール画像とカラー画像の 変換等. Stacks: 時系列画像(動画像),立体画像の 処理.輝度投影,スライス一覧(montage) の作成等. Crop: ROI 部分の切り出し. Duplicate: 画像ウインドウの複製. Rename: 画像ウインドウのタイトル変更. Scale: 画像解像度の変更.つまり画像サイズ の拡大・縮小. ※表示の拡大・縮小と混同しないよう注意.
  • 37. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Process メニュー: 基礎的な画像処理(フィルタ等) Find Edges: 輪郭強調. Binary: 2値画像(白黒画像)処理. Math: 加減乗除等による 各画素の輝度変更. Filters: ノイズ抑制等のフィルタ. Image Calculator: 画像と画像の間 の演算. 加減乗除等.
  • 38. Copyright © LPixel Inc. All Rights Reserved. Analyze メニュー: 測定やグラフ関係 Measure: ROI 部分の諸パラメタの測定. Analyze Particles...: 粒子解析. Set Measurements...: 'Measure' で測定する パラメタの選択. Set Scale...: 1画素が何 mm かを設定する. Histogram: 輝度ヒストグラムの表示. Plot Profile: 輝度プロファイルの表示. 他のメニュー Plugins: プラグイン,マクロ,ショートカット キー設定等. Window: 画像ウインドウ,ログウインドウ等 の一覧や並び換え. Help:ブラウザにウェブ上のマニュアルを 表示する等.