位置情報ゲームと観光街おこし（ネガティブ）
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世界コスプレサミット・国際シンポジウムで話した内容です。 一般向けにわかりやすい／易しい内容になっています。ほとんど既存資料を使ってるので、あまり新規性は無いです。
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位置情報ゲームと観光街おこし（ネガティブ）
- 2. 位置情報ゲーム ▶ GPSによる位置情報を利用したゲーム ガラケー時代から存在＆中高年の旅行者向け 発見！ニッポンの城めぐり（2010）：現在はスマホに移植 ステーションメモリーズ（通称：駅メモ，2014） 旅行時の目的地決定＆街歩きのネタ ▶ 変化・注目：Ingress（2013～）以降 岩手県：Ingressとコラボ（2014） ポケモンGO（2016年7月～） ▶ 観光資源どころか、作品すら無くても人が呼べる ナイアンティックにレアポケモンを出してもらえばOK
- 4. 位置情報ゲームの2ジャンル ▶ 訪問誘発型：場所に到着することにインセンティブ 駅を巡る，城を巡る，など ▶ 歩行（街歩き）誘発型：歩行に何らかのインセンティブ ポケモンGO（たまごの孵化） テクテクテクテク（2019年6月終了） ▶ 歩行誘発型：観光街おこし期待の星 目立つ観光資源が無くてもOK レアポケモン出してくれれば・・・
- 7. 威勢の良い数字が並ぶ
- 8. 「イベントによる観光振興」の限界 ▶ イベント：既に成功している街でのみ価値がある 来訪者数コントロールが難しい 街のキャパシティを超えることも：機会損失，治安問題・・・ 特定日だけ人が来てもあまり意味が無い 経済振興にはならない＆根拠も微妙（後述） 街歩きを誘発しないものが多い ▶ 報道されてない中に死屍累々 されているものでも失敗はある ▶ そもそも、祭りが年に1回増えただけで観光振興？
- 9. イングレスと岩手県 ▶ かなり早い段階から イングレスに注目 2014年9月から研究会 県のPRに利用 ▶ 経済効果：未公表 研究会での講演でも言及せず 「お金ではかれないと思います」 初イベント「ポータル探して盛岡街歩き」 （2014年11月9日）：26人 その後もイベント参加者：数十人 リピーターが9割 2015年4月9日朝日新聞朝刊
- 10. ポケモンGOで20億の経済効果？ 計算方法：大きく疑問 一次効果 入込客数×平均消費額 二次効果 需要増による波及効果 両者を同じと仮定 プレイヤーの経済行動 一般観光客の経済行動 ・・・全く信用できない 岩手県，宮城県，福島県及び熊本県は，ポケモンGO などの位置情報ゲームと連携して被災地域の観光復 興を目指しております。 平成28年11月12日（土曜日）に本県が石巻市で実 施したイベント「ポケストップ追加企画 Ｅｘｐｌｏｒｅ Ｍｉｙ ａｇｉ」には，1万人を超える方々に来場いただいたとこ ろです。 また，県の実施ではありませんが，このイベントと時 期を合わせて「ポケモンＧＯ」ゲーム内で，人気のポケ モンである「ラプラス」が出現しましたが，これによる 県内の経済効果等を試算した結果につきましては， 下記のとおりです。 記 1 石巻市の観光客入込数 約10万人（平成28年11月11日（金曜日）～21日 （月曜日）までの11日間） 2 期間中における概算観光消費額 約20億円 ※ 算出に当たっては，本県観光客の平均消費額を 使用し，県産業連関表により試算したもの。 http://www.pref.miyagi.jp/release/ho20161219-6.html 宮城県Webページでのプレスリリース文
- 11. ユーザーがポケモンGOプレイ中に取る行動 0% 20% 40% 60% 80% 100% 飲み物購入 カフェ 食事 その他買い物 よくある 時々ある ほとんどない 一度も無い 2017年調査，20～50代男女各100人
- 12. 観光による経済効果 ▶ 基本：訪問者数×滞在時間→経済効果 宿泊が入るとなおよし 滞在時間が長い＝楽しんでいる＝お金を落としている ▶ レアポケモン探しでは？ データは無いが、決して長くはないだろう 車で水辺→カイリューGet!→帰る、もありうる 1人平均2万円使ってると思いますか？ 宮城県試算での数字
- 13. まとめ：位置情報ゲームで街おこし？ ▶ 個人的見解では期待薄 継続性はない 経済効果もあまり期待できない ▶ 日本の地方：疲弊 わらにもすがりたい状態 産業振興（企業誘致）：期待薄 → 観光しかない ▶ コンテンツ：すがりつきたい「わら」として利用される ゆるキャラ、萌え系マスコット、アニメ聖地巡礼など 位置情報ゲームもその一つ
- 14. 参考：コンテンツ系の観光で重要なこと ▶ 鷲宮が「らき★すた」で行ったこと 1. 自治体も巻き込んだ地域ぐるみの活動 2. 版権元と協力して、新規描下ろしポスターやオリジナ ルグッズなどの商材を用意する 3. 聖地巡礼マップなどの来訪者向けサービスを充実 4. 定期的にイベントを実施してリピーターを生み出す 5. スタンプラリーなどの街歩きイベントを通じて、来訪者 に作品に登場した特定箇所だけでなく街全体への愛 着を持ってもらう ▶ 「作品のファンから街のファンへ」が鍵 インバウンドの人だと「アニメのファンから日本のファンへ」