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フィンランドにおけるゲーム産業政策

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社会経済システム学会@名工大での発表(2019年)
昨年のサバティカルで見聞きしたことをまとめました。
 

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フィンランドにおけるゲーム産業政策

  1. 1. フィンランドの産学連携策に ついての研究 ---ゲーム産業を中心に--- 小山友介(芝浦工業大学) 井村 直恵 (京都産業大学) 陳 韻如 (滋賀大学)
  2. 2. 自己紹介を兼ねて:なぜこのテーマ?  発表者の本業  ゲーム産業研究  『日本デジタルゲーム産業史』(2016)  昨年度サバティカルでした  Aalto University, Finland  ゲーム産業:政策対象外?  保護・育成対象になったことがない  拙著(右)にも政策の議論なし  行政の介入:基本的に規制・指導  わいせつ表現、コンプガチャ、流通(公取)  コンテンツ産業政策→ゲームは仲間外れ  既に国際競争力があるから・・・ 拙著(現在改定作業中) こんなの見てきました、以上の報告になっていません。スミマセン。
  3. 3. 議論の背景:現在のゲーム産業  環境激変  開発費の高騰→2極化  巨大予算による超大型タイトル(AAAタイトル)  インディーズ:ラインナップの穴埋めとして重要に  新プラットフォームの登場と家庭用ゲームの凋落  スマートフォンゲーム市場の急成長  PCでのDL販売プラットフォーム:STEAM, GOG.com →弱小国・企業もグローバルマーケットにアクセス可能  フィンランド:時代の転換点で急上昇  Nokiaの携帯電話部門売却→解散、後の穴を埋める1つに
  4. 4. 大使館で配布しているパンフレット ビザ取得のために訪問した2017年12月に受け取ったもの
  5. 5. 該当箇所拡大 ゲーム産業の記述 起業支援 (ゲーム産業も含む)
  6. 6. フィンランドゲーム産業売上推移 Tekes(技術庁)のスライドから https://www.slideshare.net/Tekesslide/10-years-of-tekes-funding-and-networks-for-the-finnish-game-industry-20042014
  7. 7. ノキアとゲーム産業  携帯ゲームの先駆け:Snake(1997)  Nokiaの携帯電話部門:スマホに乗り遅れ  2008年の携帯電話世界シェア50%  2013年にマイクロソフトに売却→撤退  現在:ノキアOBが作ったHMD GlobalでNokiaブランド携帯販売  独自OS(Symbian)の優位性が仇となる  TRON依存だった日本と似た状況  N-Gage(2003)  Symbian搭載、ゲーム機能を持つ携帯  失敗したが、複数のインディー企業に支援  スマホ黎明期にRovioが“Angry Birds”(2009年12月)を 発表する下地となる
  8. 8. Snake Game Bing画像検索
  9. 9. N-Gage(2003,日本未発売) Finnish Museum of Gamesで小山撮影
  10. 10. フィンランドのゲーム産業  古くは“Max Payne”(Remedy Entertainment)  PC(2001)→PS2移植(2003)  スマホ時代に一大勢力に  2001年から2015年で200以上の企業が登場  人口550万人の国であることに注意  スマホ黎明期に世界的ヒット作  Angry Birds(Rovio,2009)  Clash of Clans(Supercell,2012)  Hill Climb Racing(Fingersoft,2012) ※日本のパズル & ドラゴンズが2012年
  11. 11. ゲーム産業支援:国レベル  Tekes(技術庁):2004-2014年で6700万ユーロ投資  RovioやSupercellは投資によって成長 https://www.slideshare.net/Tekesslide/10-years-of-tekes-funding-and-networks-for-the-finnish-game-industry-20042014
  12. 12. 支援:(地方)都市レベル Ouluの事例  支援組織  オウル地域の企業支援機関:BusinessOulu  オウル市100%出資のNPO(2011年設立)  マッチング支援,スタートアップ支援,投資,海外市場開拓  ゲームだと、Oculus Rift VR headsetはオウル大学で開発  ICT産業クラスターにゲームも自然に入っている  産学官連携施設 Oulu Game Lab  オウル応用科学大学のコース  Fingersoftが協力  日本でも少しはあるが・・・(福岡、松戸、仙台など)  東京ゲームショウやコミックマーケットへのブース出展程度
  13. 13. 東京ゲームショウ(2019年)の仙台ブース  Oulu:仙台市のブースに出展  姉妹都市  ブース費用は仙台市が負担  各地のexpoに出展する際、 BusinessOuluが渡航費用を 援助  Expoごとに一定数の枠を設定し、 参加企業を募る方式
  14. 14. Business Kitchen (Oulu University)
  15. 15. Oulu Game Lab  Fingersoftの建物に隣接 (同一敷地内)  Project Based Learning の典型  プロの開発者の指導で1年 間の講義を受け、単位取得 ができる  オウル応用科学大学  教育はすべて英語  国内市場が小さいため、 最初から海外展開が前提
  16. 16. Helsinki Games Factory  2019年6月1日オープン  インディー企業の協働拠点  40企業が参加  定期的にセミナーやジョブ ワークショップも実施  元は病院だったエリアにあ るスタートアップ向け施設 であるmaria 01に設置
  17. 17. 起業意識の例:Aalto Universityの標識
  18. 18. 人材育成  海外:多くの大学でゲーム開発教育  米国:Hevga(Higher Education Video Game Alliance)  約400の大学で実施  IGDA Curriculum Framework  https://cdn.ymaws.com/www.igda.org/resource/collection/0DBC56DC-B7CB- 4140-BF3A-22A9E92EC63A/igda_curriculum_framework_2008.pdf  フィンランド:ゲーム研究&ゲーム開発者教育が盛ん  ゲーム研究:タンペレ大学  Centres of Excellence in Game Culture Studies  高評価の複数大学でゲーム開発者教育コース  University of Helsinki(Times Higher Education 96位)  Aalto University(Times Higher Education 184位) ※両大学を上回る日本の大学は東大(36位)と京大(65位)のみ  大学内にスタートアップ支援拠点  日本:貧弱(詳しく書くと罵詈雑言になるので自粛) 東大のコンテンツ創造科学産学連携教育プログラムが成功していれば・・・
  19. 19. THE HELSINKI MODEL OF GAMES INDUSTRY TALENT BUILDING • ゲームをメディア教育 の一つとしてとらえた カリキュラム • 0歳児~高等教育~ 生涯教育まで http://www.neogames.fi/wp- content/uploads/2018/04/Helsinkimalli-final-draft.pdf
  20. 20. まとめ:農業と放牧?  フィンランド:農業  人材育成、起業支援、インディー支援、全て手厚くサポート  通常のICT産業支援の中に普通にゲームも含まれる  北欧の高い税負担があって初めてできるのかもしれないが・・・  人材育成:高等教育まで  ゲームに関する研究で学位が取れる!  日本:放牧  突然変異者に頼りすぎ  にもかかわらず、普通人に矯正しようとして潰す・・・
  21. 21. 最後に:フィンランドでグサッときた会話 小山 「コンテンツ産業支援策を考える際、日本ではゲーム産 業は『すでに国際競争力があるから』という理由で最初 に対象から外される」 Miikka(フィンランドでのサバティカルのホスト) 「信じられない。長所を伸ばさないでどうするの?」

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