オープンイノベーション事例 アップル

1. オープンイノベーション事例
アップル社
2015年6月

2. オープンイノベーション
社内と外部の技術・アイデアを有機的に結合させ、新たな価値を創造する

3. Apple
ベンチャー投資・買収スキーム (1/2)
ベンチャー・キャピタル
ベンチャー企業
有望ベンチャーの探索
Mac iPhone iPad iPod
BD
部門
BD
部門
BD
部門
BD
部門
M&Aチーム
CFO CTO
※BD=Business Development
提案
報告
検討
指示
検討
指示
検討
指示
提案
決議
MTG
検討
結果
検討
結果
検討
結果 検討
結果
1. ベンチャー・キャピタルからAppleへ有望なベンチャーを売込み（提案）
※各製品のBusiness Develop部門が提案受付窓口。
2. Apple内でのプロセス
① 提案を受けた製品BD部門(例えばiPhone)がM&Aチームへ
提案受付を報告
② M&Aチームから他BD製品部門（Mac, iPod, iPad）へ検討指示
③ 各製品BD部門が、次モデルに新機能として導入できる、或いは
新たなビジネスモデルを生み出せるかを検討 （M&Aチーム参画）
④ 各製品BD部門の検討結果を持ち寄って決議MTGを開催。
（CFO、CTO同席）
⑤ ベンチャー・キャピタルへ結果連絡
結果
連絡
 M&Aチーム（CFO直轄）が案件検討を横串を刺し、コントロール。
 評価(①～⑤)を3か月以内に実施し、必ず結果を連絡する。
• スピード感を持って評価しないと、売込み先としての優先順位
が下がる。
• 信頼関係を失わないために、受付けた案件は必ず評価する。
①
①
②
④
③
⑤

4. VCに、有望なベンチャー発見の有無に関わらず、定期的にVCが調査したベンチャーの
技術・アイデア情報をシェアさせている。
⇒ VCが有望なベンチャーを見落とす可能性があり、それを見逃さないように拾うためである。
ベンチャー投資・買収スキーム (2/2)
評価結果は３パターン
(1)買収(M&A)
(2)既存の製品、ビジネスモデルには直ぐに使えないが将来性がある場合、買収ではなく、
投資して育成していく。
(3)不採用
結果が(2)投資となったケース
・ VCを通さず、Appleが直接投資。
・ まずはベンチャー自身に開発させ、段階に応じてApple社員が介入。
・ 適宜、買収するか（タイミングを含めて）、これ以上の投資は止めるかを検討
※投資をして買収まで辿り着くベンチャーは15社～20社に1社くらいの確率。

5. iPhone発売以降に買収したベンチャー企業と技術の推移
2008 2009 2010 2011 2012 2013
iPhone発売/iOS1.0
iPhone3G発売/iOS2.0
• 基本性能の補填・強化
iPhone3GS発売/iOS3.0
• Bluetooth A2Dp/AVRCP対応
• プッシュ通知
• MMS
• テキストのコピペ機能
iPhone4発売/iOS4.0
• マルチタスク
• アプリのフォルダ機能
• iAd搭載
iPhone4S発売/iOS5.0
• 通知センター
• Twitter連携
• 顔検出機能
• Siri導入
iPhone5発売/iOS6.0
• 自前の地図アプリ（大失敗）
• Facebook統合
• Passbook
• Appstoreのリニューアル
2007/
6月
7月 6月 6月 10月 9月 9月
 PA Semi(半導体)  Placebase(地図)
 Lala(音楽)
 Quatro Wireless(iAd)
 Intrinsity(半導体)
 Siri （音声認識）
 Imsense(画像処理)
 Poly9(地図)
 Polar Rose(顔認識)  Anobit Technologies(メモリ)
 Chomp(アプリ検索)
 AuthenTec(指紋認証)
 Particle(アプリ開発)
 WiFiSLAM(屋内位置)
2014 9月
 LuxVue Technology（省電力LED）
 Spotsetter（地図）
 Swell（ラジオアプリ）
 BookLamp（ビッグデータ解析）
 Beats Electronics（音楽・ヘッドフォン）
 Prss （アプリ開発）
 HopStop.com（乗換）
 Locationary（地図）
 Passif Semiconductor（半導体）
 Matcha（TV）
 Embark（乗換）
 AlgoTrim（圧縮）
 Cue（パーソナルアシスタント）
 PrimeSense（半導体）
 Catch.com（メモアプリ）
 BroadMap（地図）
 Topsy（Twitter検索・分析）
 Novauris Technologies（音声認識）
iPhone5c/5s発売/iOS7.0
• 指紋センサー（5s）
• フラットデザインの全面採用
• マルチタスク強化
• カメラアプリにエフェクト追加
• AirDrop
• Siriの進化
iPhone6/6Plus発売/iOS8.0
• 4.7/5.5大画面・薄型化・軽量化
• NFC搭載・ApplePay
• カメラ機能の進化
• Maps/ Siri強化
 SnappyLabs (カメラSW)
 Burstly （アプリテスト・分析）
Appleが
投資・買収した
ベンチャー企業
iPhoneへの
投資・買収した
技術・アプリの展開
買収後、即製品に反映しているように見えるが、
１、２年程度の仕込み期間があると推測される。

6. サマリ
 ベンチャー・キャピタル(VC)の有効活用
• 有望ベンチャーを探索・提案させている
• ベンチャー業界情報を定期的に共有させている
 各製品BDチームが提案受付窓口
 M&Aチームが案件の検討をコントロール（横串を刺す）
 スピード感を持って検討し、短期間で決議する
 投資する場合は、VCを通さず、Appleが直接投資する

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